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あの日から一週間、
間違いなく
「女の子を傷付けてしまった……」
想像以上にショックを受けているらしい
背後から漂ってくる陰湿な気配に耐えられなくなったのか、持ち前のお人好しで放っておけなくなったのか、あるいはそのどちらもか。
声をかけるなといった雰囲気を醸し出し続けている
「なぁ、
話しかけてはみたものの、ぴくりとも反応はない。
聞こえてくる呼吸音が寝息とは違うようだったので、聞こえてはいると判断した
「最近この辺りで起こってる切り裂き事件。夜に一人で商店街を歩いてると、突然路地に引きずり込まれて全身を切り裂かれるっていうやつ。お前も知ってるだろ? まだ誰も死んではいないけど、次こそ犠牲者が出るんじゃないかってこの学校でも噂になってる、あれ」
その時、微かに
(気のせいか? でも少しは興味があるのかも!)
そう考えた
「俺もさっき聞いたんだけどさ、あの事件の犯人はこの学校の女子生徒かもしれないんだって」
相変わらず整った顔をしているが、いつものような明るさややる気は感じない。
しかし
「その話、本当なのか?」
やる気も覇気も感じられない力のない声が
(興味はさほどないが、これも命令だったな)
自分が転校してきた理由を思い出した
「今夜それを確かめに行くんだよ」
あくまで噂だと前置きをしながら、嬉々として再び
今度は意外なほどすんなりと了承した
「他の奴らにも知らせてくるな!」
そう言って席を立った
だが面倒だといった気持ちを全面に押し出した顔で窓の外を見ながら頬杖をついた。
放課後になり、二人はクラスメイト達に誘われるがまま街へと繰り出す。
切り裂き魔が出るのは夜とのことだったが、そこは遊びたい盛りの高校生達だ。
ゲームセンターやカラオケ、ファミレスなどを転々としながら有り余る時間を潰すのには困らない。
夜までの軽く見積もっても四時間はあった時間を遊びつくし、いよいよ夜の帳が下りた商店街へと繰り出す。
昔ながらといった商店街は近所の大型商業施設などに押されて、昼間でもシャッターが下りている店は少なくない。開いている店も夜になる前に閉めてしまう為、
見る限り人通りはなく、事件を起こすにはうってつけといった雰囲気だ。
「よっし、じゃあ行こうぜ
肩に腕を回してきた
それなりに長い商店街の西口から東口へと路地を気にしながら探索する。
しかしそうそう上手く切り裂き魔に出くわす訳もなく、全員に徒労感だけが募っていく。
「何も起きないし、誰とも会わないなぁ。本当に今日も切り裂き魔が出るんだろうな?」
「この事件の犯人はほぼ毎日、人を切り刻んで回ってる。だとしたら今夜も出てくるはずなんだけど……」
最後尾を歩いていた
もはや初めの緊張感はなく、諦めムードが漂い始めていた。
切り裂き魔が一人になった人間を狙うのならば、誰か一人がオトリになった方が早い事に気付いていないわけではないだろう。
要は彼らは自分の身の安全を守りながら、切り裂き魔の正体を見てみたいのだ。
退屈な時間と化しただけの探索作業に
「いやぁああああああああああッ!!!!!」
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