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廊下側に“二年三組”と書かれた札がかけられた、県立高校の一教室。
普段ならば等間隔で勉強机と椅子が並べられているはずの教室は、昼休みということもあり生徒達の手によって机と椅子が思い思いの場所へと移動させられている。
学ランとセーラー服の生徒達が入り乱れ、それぞれの話し声でざわめきが起きている教室の窓際最後列の机には、いろとりどりの手紙や箱で小さな山が出来ていた。その机を挟むように机の主である
「これも、これも、これも、これも……。全部“
「モテる男の宿命ってやつだ。高望みはするなよ、
綺麗にラッピングされた箱や手紙を手に取って名前を確認しては机の上に戻していた
「大体お前、まだこの学校に転校して来て三日目だろ? 何をどうやったら学校中の女子生徒と知り合って、こんなに大量のプレゼントなんて貰えるんだよ」
「それは……っと?」
そこにいたのは転校初日に学校中の女子生徒全てと顔見知りになったと思っていた
「あんな子いたっけ?」
「あぁ、あいつの名前は
不意に浮かんだ疑問をそのまま口にした
当の
「へぇ、
「
確認するように呟いた
あまりにも自然なその様子に
「いじめか?」
「ハズレ。
「へぇ、それはまた……」
再び視線を
それを見た
「お前、変な奴だよな」
「失礼な。痺れる位にクールなところがまた良いだろ? まさに楽園に舞い降りた孤高の天使! って分かる訳ないか。辛い事聞いて悪かったな、
「そりゃーモテモテな
昔からの知り合いのように二人が互いにからかい合う。
自分が話題にされていることなど露知らず、
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