ロシアっ子とお風呂②

 バスルームへ戻り、震える手で下着やら着替えを手渡した。


「ふぅん……大二郎って、黒がいいんだ」

「色の指定はなかったからな。だから俺好みで選択したんだ、仕方ないだろう」

「それは確かに。じゃあ、大二郎の持って来てくれたこれをつけるね」


 ヤバ……。

 まるでリアが俺色に染まっていくみたいな……そう考えるだけで、かなり興奮してきた。


「じゃあ、もういいか。俺は飯とかの準備もあるし」

「脱がして」

「へ……」

「脱がして」


 まさかの要求に俺は心拍数急上昇。このままでは俺の心臓が破裂する! やばい、やばいって……さすがに脱がすのは死んでしまう。俺が!


「ふ、服を脱がせって……手は使えるだろう?」

「最後まで面倒見てくれるんでしょ?」


 そんなマジな瞳を向けられて、俺は困惑する。リアは“早くしてよ”と言いたげにムッとさえしていた。……やるしかないのか。


「分かったけど、目は閉じていていいよな」

「だ~め。ちゃんと、その目でわたしを見ないと許さない」

「許さないって……ええい、こうなったら自棄やけだ。後でセクハラ認定するなよ」

「そんな裏切るような真似はしないって。信じて」


 その言葉を信じて俺は、リアのブラウスのボタンに手を伸ばす。ひとつひとつ丁寧に外し……やがて、脱がせる段階に辿り着く。


 この先は禁断の領域。


 よくよく考えたら、リアの水着すらまだ拝めていないのに、いきなり下着姿を見れる? ちょっと待って、段階が飛躍しすぎじゃないか。


 いやしかし、男として当然この先を見たいし、なんなら触れたい。触れ合いたい。だが、だが……。


「……リア、すまない。今の俺には勇気と覚悟が足りなかったようだ」

「大二郎って、こういう時はヘタレなのね。でもいいわ、あと一歩が踏み出せないのなら、わたしが背中を押してあげる」


 ――と、リアは自らブラウスを脱いでいく。


「ちょ……おま!」


 真っ白な肌が露わになって、キラキラとまぶしい。こ、これが間近で見るリアの肌か……なんて煌めきだ。雪のように真っ白。これだけでも性的エロすぎて顔が熱くなった。


 やがて、派手な花柄の下着(?)が見えてきて……



「おぉ……って、これは水着・・じゃねかーか!!」



 この前、ショッピングモールで購入したやつだー!! 俺が選んだ面積の少ない花柄ビキニの水着である。ああ、この可愛さは間違いない。


「もしかして、下着姿を期待してたの~?」

「……う。いつの間に着替えていたんだよ」

「さっき、大二郎が下着を取りに行った時にこっそりね。だって、さすがに下着姿は恥ずかしいし……だから水着」


 なるほどなぁ、こんなタイミングで拝めるとは思わなかったけど、これなら水着だから問題ない。ちょっと肌の露出が多すぎるけど、水着は水着。


「はぁ~…俺の心臓が爆発する所だったぞ」

「ごめんごめん。大二郎を少し驚かせたかったんだ。でも、わたしもドキドキしたし、これからもっとドキドキしたいな♡」


「水着ならいいか。じゃあ、俺も着替えて、リアを洗ってやる」

「うんうん♪」


 そうか、最初から水着で……なるほどなぁ。


 俺は、一旦部屋に戻り、元々持っている水着(サーフパンツ)を着替えた。これで準備完了。また再び風呂に戻って、さっそくシャワーを使う。


「じゃあ、流すぞ」


 そういえば、リアの背中を初めて触るかも。ゆっくり丁寧に指で触れていく。


「……んっ♡」

「変な声出すなよ、リア」

「だって、くすぐったいんだもん」


 震える手でなんとか背中を流し終えると、リアは正面を向く。


「どうした?」

「今度は前でしょ?」

「……ま、前って……うわ、デカ!」


 目の前には、たゆんたゆんの大きな胸が降臨していた。……こ、これを俺に洗えって!? その前に俺が滅びちまうよ!


「はい、洗って」

「む、無理だ……。も、もう限界が……」


 のぼせてきた俺は、頭がクラクラした。

 段々と意識が朦朧もうろうとなってきて――多分、俺はリアの胸の中に沈んだ。



「大二郎!? 大二郎ってば……! 嘘……どうして!? 死んじゃダメよ!!」



 ――リアの慌てる声が聞こえるような……



 あぁ、だめだ。

 意識がもっていかれ……る。

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