電車で二分

 俺とリアの住居であるアパートは隣町。

 舞阪駅から電車に乗り『弁天島駅』の直ぐ前だ。


 徒歩で駅まで向かい、いつも使っているPOICAポイカで改札口を通っていく。ホームにて待とうとすると電車が丁度やって来た。


 それに乗車し、二分で隣町へ。

 とても短い二分だけど、湖の素晴らしい景色が堪能できる。俺はこの区間の風景がお気に入りだった。


「ここの景色好き」

「ああ、そうだな」


 一瞬で通り過ぎても尚、脳裏イメージには色濃く残っていた。でも、それよりも俺はリアの儚げな横顔に目を奪われてしまっていた――。



 ――弁天島駅に到着し、駅を出る。


「ねえ、大二郎。コンビニ寄って行きましょう」

「……ああ、そういえば同棲一日目で冷蔵庫は空だった。あっても調味料くらいだろうし、今日はコンビニ弁当で済ませるしかないか。それでいいかな?」

「うん、日本のコンビニはまだまだ未知数だからね、楽しみ」


 どうやらリアは、コンビニ体験が浅いらしいな。来日してからは手続きとかで大変だったろうし……ならば、歓迎会も兼ねて色々買ってみるか。

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