「あんまりそういうのは、ちょっと僕は……」
言いつつ上原先輩からぶんどるよう、コンドームをポケットに入れた。
――言い訳をするようだけれど、僕はこの時まで小夜ちゃんをそういった対象に見たことはなくて、彼女は可愛い妹の延長だと思っていた。
作者からの返信
家に帰った僕は上原先輩からぶんどったコンドームを机の上に置き、電気スタンドでそれを照らす。
「やっぱりな……」
銀色のパッケージの中心には、虫眼鏡で見ないとわからない程の小さな穴が空いていた。
『人の善意を簡単に信じるな』、これは小夜ちゃんから常日頃よく聞かされていた言葉だ。お調子者の僕は危うく上原先輩の魔の手に落ちるところだった。まったく……、一つ年下とはいえ小夜ちゃんには頭が上がらない。
――とはいえ言い訳をするようだけれど、僕はこの時まで小夜ちゃんをそういった対象に見たことはなくて、彼女は可愛い妹の延長だと思っていた。
誤字報告です。
>小夜ちゃんが来るまでに自分で使ってしまおう
は
小夜ちゃんが来るまでに上原先輩と使ってしまおう
が正かと思いますが、大丈夫でしょうか。
作者からの返信
ありがとうございます! 間違えていました!
正しくは次の通りでした。
(正)
小夜ちゃんが来るまでに上原先輩と使ってしまおうと思った僕は、銀色の個包装を手に持って先輩を見上げた。
「うん? なんや尾崎」
「いえ、ちょっと僕、使ったことないんで……」
「そうなんか、じゃあここで使ってみるか?」
上原先輩の目が妖しく光る。
「えっ? ここで……、いいんですか?」
僕はドキリとした。まさか本当に上原先輩とそういう関係になれるとは思わなかったからだ。
「尾崎、初めてなんやろ……。俺が付けてやるからな」
気がつくと上原先輩のゴツゴツとした大きな手が、僕のジーンズのベルトへと伸びていた。
カチャカチャと音を立てて僕のベルトは緩められ、ジッパーが下ろされていく。
――小夜ちゃん、僕は先に大人の階段を昇るよ。
頭の片隅でそんなことを思いながら、僕は上原先輩のガッシリとした身体に全てを任せたのだった。