第14話 愛情の注ぎ方、受け止め方

祥子は1つある愛情を

1/3ずつに大吾へも涼にへも自分にへも

均等にあてがえるようあまりを余すことなく

割り切ろうとしていた。


でも気付く、愛情は初めからひとつでは

ないのだと。

時には大吾から3もらうこともあるし

涼から2もらうこともあるだろうし、

自分が4減らしてしまうことも

あるだろうし。

もちろん余裕があれば5でも6でも

与えることができる。


世の中ムダなものはない。

祥子にはわかっていた。ムダに歩んできた

自分の道は誰にとってムダなのだろう。

答えは自分にとってムダに感じることすら

有益なことなのだ。


月が満ちる日もあれば

満ちていたとしても雲で見えない日もある。

新月の真っ暗な空でさえ月は存在しているの

だから。


何も不要なものなどない。

何も不毛に感じることなどない。


そこに生きながらえる命があったとしても

断たねばならない命があったとしても

必ず意味があるし想いを馳せるべきだ。


ムダなく使い切ろうと生きてきた祥子は、

物事に終わりがあり、始まりがあることを、

3つのノートを通して知ることとなる。

何をしてもいい。心のおもむくままま。

そこでつまずくならつまずけばいいし

そこにはなんらかの気づきが待っている。

神は万物に平等に人生を与えている。


時代をさかのぼって

家来に命じて神に背く行為を果たしたガラシャの生涯も

こんな小さな町でMacBook Airを

叩いている祥子にしても


皆、命は平等に授かるのだ。と。




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