第5話 オトコたちの苦悩

新月から数日たったある日、


大吾も涼も悩みをそっと

祥子に打ち明けていた。

どちらも家族に関わるものだ。

一つは金銭の制約、

一つは時間の制約、

を家族から受けているというもの。

祥子は何もできなかった

手伝いたいけれど何をすべきか

わからなかった。



マリア様は微笑むだけで全て

解決させるのだろうか、

キリストは悔いあらあためるよう促すだけで

解決へ導けるのであろうか、、



祥子は生身の人間であり、動くこともできる

考えることもできる、助言することもできる

でも、ただ微笑むだけ

それだけでいいのだろうか

簡単に2人のマリア様になると

言ったったわりに

無力感にさいなまれる日々を

ただただやり過ごしていた。


かつてのキリシタンの弾圧について

思いを馳せてみた。

現地に行って感じてみよう。

弾圧キリシタンの地へ赴いてみたくなった。


次に会う際に、

ついてきてほしいと大吾に伝えた。

大吾は冗談で俺キリシタンになりたいんだ

なんて話していた。


大阪にいる間、運転の練習をした。

ガイドブックで記事も読んだ。

地図も買った。


慈母観音(マリア観音)

…かつて禁教とされてた時代マリア像を

観音とみたて信仰を続けていたようだ。

興味深い。

観音菩薩とマリア様。共通点は多々。 

祥子は長崎ゆきに

一縷ののぞみを託すことにした。

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