第6話 ゲーム開始 3日目
3日目(水曜日)
待って待って待って!そういえば私、昨日加藤くんに抱きしめられたよね!
昨日の放課後、私は涙を流してしまってそしたら加藤くんから抱きしめられた事を思い出し今頭が爆発寸前である。
昨日、あれから私が落ち着いてきて頭がハッキリしたら、段々今起きている状況が凄いことだと分かり謝ってお礼を言い逃げるように帰ってきてしまった。
もう頭の中が真っ白でいつ家に着いたか覚えていない。
唯一顔が熱かったことだけは覚えている。
今日も学校だが、昨日考えすぎてなのか熱が出てしまった。
昨日色々ありすぎて、家に帰ってからもずっと忘れられずそればかり考えていた。
そしたら夜も眠れなくなってしまいそれが今、仇となって熱が出てしまったのかもしれない。
親は仕事があるので会社に行ってしまい、今家に居るのは私だけである。
家に一人で居ることが慣れない。いつもは、どんなに嫌でも学校を休まなかったので、この時間家に居ると落ち着かないし何だか寂しいような気がする。
でも熱があるのでおでこに冷ピタシートを貼ってベッドに横になっていた。
いつの間にか眠っていたようで、気づいたらお昼になっていた。
薬を飲むために何かお腹に入れないとと思い、身体を起こそうとしたが、思っていたよりきつくてなかなか起きられない。
やっとの思いで起き上がることができた。
台所に行く前に、まずトイレに行きたいと思いトイレに向かった。
用を済ませゆっくり台所に行く。思ったより熱があるらしく歩くと頭が痛いのと身体が重くて思うように歩けない。
台所に着いたのはいいが食欲がない。
飲み物だけを飲み自分のベッドに戻ることにした。
ベッドに戻りまた横になるが、さっきより身体が熱いような気がして近くにあった体温計で熱を測ることにした。
朝の時点では熱は37.8℃だったが今測ったら38.2℃まで上がってしまい、また大人しく寝る事にした。
「ピンポーン」
インターホンが鳴り私はその音で目が覚めた。
「ピンポーン」
もう一度インターホンが鳴り、出ないとと思いゆっくり身体を起こし玄関の方に歩いて行った。
パジャマを着ていたが、着替える暇がないのでそのまま出ることにした。
やっと玄関まで辿り着き「ガチャ」と開けた。
するとそこに立っていたのは、同じクラスの高橋くんだった。
私はまさか高橋くんが立っていると思わなかったので「えっ!?」と驚いてしまった。
「だ、大丈夫か?風邪で休みって先生が言ってたから、その、プ、プリントを渡しにきた。ただプリントを渡しに来ただけだからな。」
そう高橋くんはいい私にプリントを渡してくれた。
「ありがとうございます。風邪は大丈夫です。」
どうして高橋くんが?と思ったが素直にお礼を言うことにした。
「また敬語かよ。でも本当に大丈夫なのか?顔赤いぞ」
私は大丈夫と言おうとしたが、身体が限界だったようでフラっとしてしまった。
その様子を見て高橋くんが私の身体を支えてくれた。
「おっ、おっと。だ、大丈夫か!?」
私はちょっとキツかったが「大丈夫です」と言い立ち上がろうとしたが、思うように立ち上がらず焦った。
すると、急にフワッと身体が浮き気づくと私は高橋くんから抱き抱えられていた。いわゆる(お姫様抱っこ)だ。
私は急なことで驚いていると「おい、部屋はどこだ」と尋ねられ、素直に答えてしまった。
自分の部屋に着くと優しくベッドに寝かせてくれた。
何が起こったのか、もう色々と凄くて頭が回らなかったがお礼はちゃんと言った。
「ちゃんとごはん食べたか?」
ごはんは食べたかと尋ねられたが、飲み物しか飲んでいなかったので飲み物だけと答えた。
一度ため息を着き「台所借りるぞ」と言われ行ってしまった。
私はと言うとさっきの事が頭から離れず、今起きている状況も把握できず夢なんじゃないかと思いほぼをつねった。
頬をつねると痛かった、夢じゃないと分かった。
急に部屋のドアが開き高橋くんがお粥を作って持ってきてくれた。
「簡単な物しか作れないけど、これでも食って寝てろ」
と言われ早々と帰って行ってしまった。
今起きている状況が理解できずきょとんとしてしまったが、目の前にあるお粥をせっかく作ってくれたから冷めてしまう前に食べることにした。
お粥は優しい味がしてとても美味しかった。
本人には言えないが、高橋くんには想像がつかない程優しい味で驚いてしまった。
なんだかまた胸がキュッとなった。
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