第7話
「さて、どうやって世界を救おうか。」
「ええっと、まず、どんなことをしたんですか?」
「うぅぅぅん。めっちゃ前だからね。まず、この世界に言葉を話せる人がいないか探して、その後は翻訳機とか脳を調べたりとか…」
「その結果は?」
「全部ダメ。まず、この世界には自分以外に言語を理解する人はいなかった。翻訳機も、そもそも彼らは独自の言語を持ってるって感じでもなかったからムリ。脳は病院に資料がある人で前後を比べたけれど変化なし。あとは…テロかと思ったけど言語をなくす兵器なんてなかった。」
「うぅぅん、難しいですね。確かに。」
「でしょ?」
「こんなのはどうでしょう。例えば…」
「だめでしたか…じゃあ…」
「次は…」
「つぎは…」
「あぁ…」
「うぅぅん、どうしようか、やっぱり難しいね」
「すみません、もう10年ですか…」
「あとやってないこと…なんだろうね」
「………」
「あ、子供作ってみる?なんちゃって」
「え?」
「え?」
「ダメでしたね。結局」
「まぁいいんじゃない?ワタシ的には家族に囲まれて幸せだよ」
「本当ですか?」
「うん!」
「ねぇ。」
「どうしました?」
「私、延命しないどく」
「え、いいんですか?」
「だって君はしないでしょ?」
「まぁ…はい」
「じゃあもういいかな。もう、いっぱい楽しめた。」
「…わかりました。」
「僕は…とても楽しかったです。」
「私達も老いたね」
「ははっ、そうですね」
「私はね…思うんだ。これが…正しい方法だったんだって。こ家族が増えて、そこから発展していって、これからの世界ができればいいんだよ」
「そうですね」
「…」
「…あの、改めて感謝させてください」
「え?」
「僕はあなたと一緒にいられて楽しかったです。自分の使命とかそうじゃなくて本当に…」
「…」
「…僕の目を見てください」
「…」
「本当にありがとうございまし
ヒュン
言い終わる前に彼の口から上が切れ、飛んだ。
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