第2話 僕のしたいこと
「今から200年前、人類は言語を失ったんだ」
「…え、どういうことですか?」
「そのまんまだよ。今から200年前、家族も友達も、天才博士も大統領も全員が言語を忘れたんだ。」
「なら、なぜ喋れてるのですか?」
「分からない。200年間自分以外に言語を理解している人を見たことがない。自分はなぜ喋れているのかなんて見当もつかない。君は、、、少なからずコールドスリープが影響しているんじゃないかな?」
「え、お幾つなんですか?」
「私?300歳ぐらい?」
「えぇ」
「あっ、そっか。いい?未来の世界では人間の寿命は800歳あるんだ。」
「ええ!?」
「まぁそう言っても食事もしなくてはならないし定期的に延命しないとならない」
「…」
絶句している。
「それにしても久しぶりだな。会話なんて。意外にできるもんだ」
「200年間一人だったんですか?」
「当たり前じゃん。そりゃ最初は言語を取り戻してやろうって考えたよ。でもそのうち50年たっちゃって、多分家族や友達は延命を行ってないから死んじゃったんだよね。だからやる気なくしちゃって。」
「そうだったんですか…」
彼は元気をなくしてしまった。同情させてしまったのだろうか。
しばらく沈黙が進む。
「…君はこれからどうするんだい?」
私が言う。
「どうする…」
「まぁ、どうしょうもないよな。」
「僕は…世界を救いたいです。」
次は私が絶句した。
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