第12話 0か100でしか物を考えられない奴らは
さて、やっとの事でセシリアが仲良くする『貴族組』が円卓(ただのティーテーブル)に出揃いました。
セシリア、テレーサ、アリティー、クラウン、そしてレガシー。
この五人が小見出し題名にもなっている『問題メンツ』という訳です。
どのように『問題メンツ』なのかについては、本文に書きましたが簡単にまとめるとこんな感じです。
●国の未来を担う人選(肩書(身分)的に凄い)
・アリティー=第二王子
・クラウン=侯爵子息
・テレーサ=侯爵令嬢
・セシリア=伯爵令嬢
・レガシー=子爵子息(ただし将来国を豊かにするだろう鉱石研究で既に実績がある)
●派閥バラエティーに富んだ人選
・革新派(近隣国に侵略して力づくで勢力を広げたい)
クラウン=重鎮家の息子
・保守派(近隣国と条約による平和的な協定を結びたい)
アリティー=神輿そのもの
テレーサ=筆頭家の娘
レガシー
・中立
セシリア
この二つの意味で、彼らはちょっと問題のメンツなんです。
そもそも国の将来を担う人材がここまで同学年に集まるのも珍しいのに、それらが全部繋がっているとなると周りはザワザワものですよね。
一応社交場でもそれなりに会話をする仲ですが、「あの場よりも密閉性が高く大人の直接的な介入がし難いこの状況で大々的に初っ端からそのような集まりをしてしまったら、周りが何と言うか」というのが問題です。
中には人数比率的に『保守派』が多い事から勘ぐって「クラウンが、実は『保守派』に取り込まれたのでは?」という憶測が立ってもおかしくない。
だからこそこのお茶会は非公式で行われ、中立であるセシリアが声掛けをしたという訳です。
まぁそもそも彼らを結び付けたのはセシリアなので、セシリアが主導になるのはある意味当たり前ではありますけどね。
しかしセシリアは現在色々やってしまったので、注目の的な存在です。
それに対して0か100の判断をする人も居るのです。
政治派閥に続いて思想派閥まで絡んできて、最早『〇〇派』が乱立状態ですね。
まぁこれは人が集まる場所ですので仕方がない事で徒党を組むのはある意味仕方がないのですが、そんな枠にはハマらない……否、ハマりたくないセシリアは、誰にとってもきっと『異端』です。
そしてそんな彼女を時には理解し、時には呆れ、時には諦める者達が、このティーテーブルに集う4人という事です。
今後もそんな展開が出てきますから、その辺を楽しみにしてくださると良いかもしれません。
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