第9話 相容れない二人
セシリアのクラス『貴族科一年メンバー』の人数比率のお話と、とある第二王子のお話をここで出しました。
これらは全て、次話から始まる「放課後のお茶会」への布石だとお考え下さい。
という事で、今回はあまり詳しく出さなかった『貴族科一年メンバー』の設定について分かり易くまとめつつも、最後の方であの第二王子についてちょっと触れてみようと思いますよ。
↓ ↓ ↓
本年度『貴族科一年メンバー』のメンバーは、総勢16名。(男子8、女子8)
内訳
派閥で見ると……
他国に対して武力行使したい『革新派』:6名
他国と平和的協定を結びたい『保守派』:9名
どちらにも属さない、中立:1名 (←セシリア)
爵位で見ると……
王族:1名
侯爵家:2名
伯爵家:2名(←セシリア)
子爵家:8名
男爵家:3名
↑ ↑ ↑
という感じです。
本来貴族全体の人口はピラミッド型ですが、子爵家が飛びぬけて多いのは「男爵家は貧乏な家が多く、子女たちは金がないから質の良い家庭教師を迎える事が出来ず、それ故に良い家に嫁ぐ事より自分で稼げる(手に職をつけられる)別の科に進学する人が多い」というのが背景にあります。
ここに居る男爵家の3人は内訳が男子1、女子2人ですが、男子の方は跡取りなので領主教育の為、女子2人は男爵家にしては裕福な(領地経営が成功している為税収が多い)家の為、上の爵位の家に嫁ぐための教養を身に着けるために貴族科を選びました。
という話を作ったはいいものの、そこまで深く話に出すかは分からないです。
が、こういう事にはどうしても事前に辻褄を合わせておきたくなる作者なので仕方がない。(笑)
読者の皆さんには「へぇー、そんな設定もあるのね」くらいに思っておいてもらっていいです。
この先この設定が念頭に置かれる日が来れば、その時に改めて本文中に出す事にします。
さてさて。
では皆さんお待ちかね(?)、作中に出てきた第二王子についてちょっと話しましょう。
第3部を読んでくださった方はおそらくピンと来たはず。
そう。
この第二王子、あの彼です。
セシリアに嫌われてめっちゃ傷ついた彼が帰ってまいりました。
あのあとね、色々な事があったんですよ。
それを経て、今は「絶対に相容れないけど折り合いをつけなければならない相手」としてセシリアからは認識されています。
彼が垣間見せるズル賢さや自分の為に権力を使う事に躊躇の無い所は嫌いだし、実際にそれをストレートに伝えてもいる(というやり取りが、第3部終了から第4部開始までの間にあった)けど、その代わり毛嫌いして逃げ回る事はやめる。
セシリアから見ると、そんな感じです。
これについては後々詳しく「何がどうなってそういうポジションに落ちついたのか」は、本文中で明らかにしていく予定ですので、今は『セシリアは、どうやらドライな関係を結ぶことにしたらしい』と思っていただければと思います。
因みに、大事な事なのでここで明言しておきますが、セシリアは未だに彼のああいう所は本気で大嫌いなままです。
彼という人間への対応については折り合いを付けましたが、彼のそういう一面については全く折り合い付いてません。
セシリアはやっぱり頑固で揺らいだり絆されたりはしないのです。
だからちょっとセシリアは、彼に対してツンケンしてます。
だって彼、自分の良い方、良い方に思い込みが激しい子ですから。
ちゃんと態度で「嫌い!」と示してあげていないと、どこまでもどこまでもつけあがります。
だからこのツンケンは、つまるところ防波堤です。
と、いう訳で。
次回からは「放課後のお茶会」が数話続きます。
本シリーズをずっと追ってくださっていて「あれ? あの子まだ出ないの?」と思っていた方には言っておきましょう。
出ます。
この後、すぐ!
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