第4話 三つの派閥を入念に混ぜて三で割りたい



 さて。

 本編では『派閥』という言葉が出てきました。


 シリーズを通して読んでくださっている方にとっては少々既視感のある言葉だと思いますが、既出の『派閥』と今回のは別物です。



 既出の方は、国を二分する政治派閥。

 対して今回出てきたのは、階級思想としての派閥です。


 便宜上『選民派』と『平等派』、『傍観派』の三つに分けました。

 これについては学校に平民が居る上では外せない、本作の一つのテーマでもあります。


 とはいえ、人間ですから完全に「私は〇〇派だ!」と言い切れる人は少ないでしょう。

 しかしこういうのってどうしても、区分けがあると何れかの枠に嵌めたくなるもので、生徒たちは平民・貴族に関わらず積極的・消極的の違いはあれど、独りでにどこかに所属してしまうものです。



 そんな中、セシリアは「どれにも該当しない」。

 これが彼女の答えであり、この章の主軸です。



 第4部から読んでくださっている方にもおそらく片鱗くらいは見えているだろう、セシリアの頑固さ(自分が正しいと思っている事は譲らない感じ)は、信じてくださって大丈夫。

 安心して、面倒な人間関係に揉まれる彼女を見守ってあげて下さい。(笑)


 

 因みにですが……兄と姉もセシリアの考えを「自分と似たもの同士」と評していますが、彼らは彼らで過去にとある旋風を巻き越しています。


 その裏設定をお披露目される日が来るのかは正直言って分かりませんが、第2部の初めてのお茶会で当時の生徒会メンバー(キリルの同級生兼友人たち)に会った時に彼らが「『あの』キリルの妹か」とセシリアの事を評した理由の裏には、この辺の平民お目見え鮮烈デビュー(笑)もあった事だけ、書き添えておきましょう。



 さて、次話からはちょっと授業中の風景を見ていただこうと思います。

 とはいえ、ちょっと授業っぽくないかもしれませんが。


 とりあえず、セシリアの貴族としてのスキルと「へー、座学だけじゃないのね」という感じをお楽しみいただければと思います。

 あ、第3部で出てきた『あの子』も4部で次回初登場です!


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