50

もう50話……いや、まだ50話……?どっちが正しいんでしょうか……?















「今日は何作るの?」


「ん?ああ、それはこれから決める。」


スーパーに向かう途中で堪えきれなくて聞いちゃったけど、なあんだ、まだ決まってないのか。


「食べたいものでもあるのか?せっかくなら紗希の好きなもの作るけど。」


なんと!超魅力的じゃあありませんか。


「じゃあ……うーん、あー、えー。」


どうしようふゆにいが作った物色々食べたすぎてパッと出てこない。というか私の好きな食べ物ってなに。


「ないのか?」


なんで悲しそうな顔するの!?ちょ、ちょっと待って凄い可愛い。見てた……いけど今はそういう時じゃない。


「ない……わけじゃ、ないんだけど……。」


ど、どうしよう。うう……。


「そうか?」


いや目輝かせないで!期待に満ち溢れた目で私を見つめないで!


「じゃあ、あー、うーん、これから見に行くんでしょ?そこで決めたいなー、なんて。」


「まあいいんじゃないか?まだ四時だし、ゆっくり回っても。」


よし、取り敢えずこれから食材見て決めよう。あんまり高い具材買う羽目になってもやだし。


「あれ?スーパーってこっちじゃないの?」


私はマンションに向かう前に道に迷って、いつのまにかスーパーに向かっていて、ここからはさっきも通った道だからちょっと分かる。スーパーに行くのに必ず通るあそこの家の梅が少しだけだけど咲いてるの。もう三月中旬だし、咲いててもおかしくないのかな?ま、そんなのはどうでもいっか。


「スーパーは最後だぞ。今日は特売とかもないしな。」


ふゆにい、行く前になにかのチラシ見てたけど、そういうことだったのね。


「じゃあ、どこ行くの?」


「商店街だ。」


なんそれ。初耳。行きたい。












「さあ。肉か魚か、どれでもいいぞ。」


「え?ほんと?」


「嘘言って何になる。」


「やったね!」


お肉買ってもらお。部活のための精力づけのためだよ?野菜……タベルヨ食べたくないよぉ


「お肉で!生姜焼き食べたい。」


「生姜焼き……?そんなのでいいのか?」


そんなのて。もっとすごいの作るつもりだったの?私の心が持たないからやめて。そんなの……そんなの、か……。なんか悲しくなって来た。


「うん。お願い。」


「まあいい。行こうか。」


やったね、ふゆにいの料理楽しみ。









お肉屋さんの中から、ふゆにいとおなじくらいの年齢かな?そんな感じの女の人が出て来た。……胸周りは勝ってる。そして多分、身長も。


——紗希は中学校でも発育の良い方だ。——


「北代、後ろにいる私の上位互換みたいな子は誰だ?なんか色々と負けてて悔しいんだけど。」


「いも……いや、従兄弟か。」


まあ妹みたいなものだよね、私って。一時期一緒に住んでたし。もしかしたら今もだった可能性あるし。


「へえー、従兄弟ねえ。いくつ?」


「紗希。いくつだ。」


ド直球だね、ふゆにい。


「14だよ。」


まあ答えるけどね。


「うごぉ」


ん?呻き声?


「中2に負けた……。」


なんかすごい優越感。高1に勝った……!


「そういうのを畑中が見ているわけじゃないだろう。お前、そんなの気にしてどうする。」


「潤は……まあ、そうだね。」


いやスゴ。いじけモード一瞬で解除したよ、ふゆにい。というかこの人彼氏いるんだ。負けた……。


———もし冬樹が彼女の心の声をずっと聞いていたなら、「なんで勝ち負けなんて考えているのか」と思ったに違いない。しかしながら、冬樹は聞いていないので、あくまでこれは想像だが。———


なんだかんだでお肉を受け取り、少ししゃべった。


「はいコレ、私のID。LINEやってるでしょ?」


おお、おお……。アイコン可愛い……。


『よろしくね☆』


高校生って普通はこういうの送ってるのかな?ふゆにいは対象外だしカンケーないとしても、『☆』はびっくりだ。


私はそんなことを考えつつも『こちらこそよろしくお願いします。』と送り、ペコペコ頭下げてる白熊のキャラクターのスタンプを送った。


「ねえ、このキャラ知ってるの?」


え?もしかして。


「はい。可愛いですよね、白熊のくまざぶろー。」


(くまざぶろー?……もしかしてこの前のよくわからないキャラクターのスタンプか?犬か猫かと思っていたが、白熊とは……。)


———冬樹の中で謎でしかなかったキャラが、「くまざぶろー」という名の白熊であったことがわかったのであった。———


















いやはや、いい人だったなあ、芽衣さん。


……ま、くまざぶろー知ってる人に悪い人はいないよねっ!


私がるんるんで帰路につこうとしていると。


「スーパーにも寄るぞ?紗希、早く来い。」


「むう。分かったー。」


野菜買うのかな?まあ、嫌いじゃない(はず)。けど……。


やっぱりやだぁぁぁぁぁ!















「じゃ、風呂入って来い。」


泊まらせる気満々だね、ふゆにい。まあ明日も休みだし、いっか。


「はーい。」


このマンション綺麗だよね、風呂も大きいかな?





結論。家より広い。感想。羨ましい。












さて。彼女が風呂に入っている今のうちに、叔父上に連絡を……。


「ん?メー、あ、いや、LINE?」


未だメールとLINEの違いがよく分からない俺のところに、叔父上から連絡が入る。


『紗希が今日どこかに泊まっていくらしい。』


叔父上、ここだ。というか、どこに泊まるか言わなかったのか……。


俺は5分ほどかけて文面を完成させる。


『ここに泊まっていくそうです。ご飯は用意してあります。明日必ず帰します。』


すぐに既読がついて、返信が。


『了解』


そして、例のくまざぶろーとかいうキャラが、ほっと息をついているスタンプが送られて来た。


「このスタンプ、人気なのか……?」


俺の呟きは誰にも答えられることはなかった。


料理は、朱莉のお腹の音で気がついて、すぐに始めた。







———後書き———

はいどうも、しろいろ。です。「。」つけました。よろしくお願いします。

5日前、父が誕生日を迎えました。「おめでと」って言ってあげました。

まあそんなことは置いておいて。この話、遂に50話目です。よく頑張った。

僕の中じゃ「もう50話か〜」って感じですかね。

とりあえず、もっとキャラを登場させたい。二人の距離もっと縮めたい。

でも、僕自体は全くといっていいほど頑張りたくない……。どうしましょうかね、これはヤバいですよ。

ついに僕の「サボり癖」発動です。強敵が登場しましたね。

プラスでもう一つ。こないだ初コメ貰って飛び上がりましたけども、ほんとありがとうございましたっ!

コメントもしてくれると嬉しいです。ぜひお願いします。

ということで、これからまた頑張る()です。応援よろしくお願いします。ではまた。

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