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俺はそこまで愛想が悪かったのか。


「北代君、一緒にご飯食べよう!」


堂島がそう言う。


「あ、ああ。」


俺は朱莉に弁当の位置を目配せで伝えると、引っ張られながら移動をする。隼人と美晴も他の二人に捕ま......一緒にいる。






「ねえねえ、北代君はいつも自分でお弁当作ってるんでしょ?」


黙々と具材を口に運び咀嚼するだけの機械と化していた俺は、いち早く食べ終わったらしい佐伯が話しかけてくる。


「そうだが、何かあるか?」


話した覚えはないが、こういうものは大方隼人の差金なので後で絞ることにしよう。


「ううん、僕はおにぎりにぎってるだけだからさ、凄いなって。だって卵焼きとかすごい綺麗だし、って今日のこのコロッケってまさか手作り!?」


最近やたらと朱莉が所望するコロッケ。そういう背景もあり昨日も作った。その為弁当に入っているのだ。


「まあ、料理自体嫌いじゃないからな。」


「それはおま......ごめんってば。えっ、美晴?イヤァァァァ!」


馬鹿が【母】に叱られている。


......話を戻そう。もっと正確に言うなら、俺の料理を食べて喜んでくれる朱莉がいるからここまでやれているのだろう。だが、朱莉と同居している事を話すのは面倒だ。まず間違いなく男子からは恨みを一心に受けることになるだろう。


「そっか、いつも死んだような目をしてたから家でも作業してるみたく生活してるんだと思ってたよ。」


「死んだ目」とは失礼極まりないが、事実そうであった為、言い返すこともできない。


「まあそうなのかもな。」


俺は結局当たり障りない言葉しか返せなかった。





「一緒に帰らない?」


俺は帰宅間際、堂島にこう言われた。まあ特に用事もないのだ、駅ぐらいまでならスーパーに夜から一緒に帰ってもいいと返したのだが。


「そう言えば、西園寺の事だが。どうして皆少し避けているんだ?」


「それは......北代君が怖いからだよ。」


意味が分からない。


「要するに、今北代君と西園寺君は敵対していると思われてるんだよ、それで、北代君と西園寺君、どちらにつくのが正しいのかわからなくて、二人とも避けてる感じだよ。」


「ということは、俺が西園寺と仲良くなればいいということか?」


「まあ、北代君がそれでいいならね。」


なんだ、簡単なことだったじゃないか。


「出来るなら平和にしていたいし。北代君、頼むよ。」


「まあやってみよう。」


あと2、3ヶ月しかないとはいえ、いざこざがあってはいけない気がするのだ。俺は明日彼と話すことにした。

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