07
クリスマスまであと三日であり、終了式までもあと三日の今日、クラスでは冬休みの話でもちきりだ。ところどころから成績の話が漏れ出ている気がするが。冬休みの間に俺は叔父のところに一旦戻る必要がある。その為予定のほとんどが帰省になってしまい、下手に予定も立てられない。まぁ、友達がいないのが一番の理由なのは明らかだが。
もうすでに今年最後の授業の教科もあったので、三日前の今から課題に取り掛かっている。
先ほど食事と後片付けを済ませたので、さっさと自室に篭ってしまう。
勉強にひと段落ついた俺は、ふと思い出す。
「クリスマスプレゼントって用意した方がいいんだろうか?」
散々悩んだあげく、俺は隼人に相談することにした。そうと決まれば早速連絡。
俺は携帯を取り出して彼に電話をかける。
ものの三十秒ほどで彼は出てくれた。
『よう、お前が連絡してくるなんて珍しいな。』
「ちょっと聞きたいことがあってな。」
俺は意を決して本題へ突入する。
『へえ、朱莉ちゃんにか。なんだよ、お前も隅に置けないなぁ。』
彼女か何かだと思っているのだろうか。ここは訂正しなければならないところだろう。
「……一応言っておくが、あくまで彼女は同居人。家の手伝いもしっかりやってくれるんで、お礼も兼ねてのプレゼントなんだが。何かいい案はないか?」
『そうだねぇ。そういうことにしといてやるよ。んー、あれなんかどうだ?あのー、家じゃ寒そうだしよ、羽織れるものとか。』
なるほど。だがそれはどこで入手するのだろうかなどと俺が考えていると、
『もっちお前が作るんだよ。そういうやつの方が喜ばれるぞ?特に朱莉ちゃんなら、お前のくれたものならなんでも大事にすると思うけど。』
「俺なんかの手作りでいいのか?新堂に嫌がられても困る。」
彼女が嫌がるようなものをあげても、彼女にも叔父にも迷惑がかかってしまう。
そうすると携帯からため息をついあような音がして、こう言った。
『そこは大丈夫だろ。』
「そんなものなのか。なら従うことにする。ありがとう。」
『というかそこは変に素直だな?まあいいや、どういたしましてー。またご馳走になりに行くわー。』
「素直に聞こえるのはお前が俺より女性について知っていると思ったからだ。.....ああ、待ってるぞ。だが、来る時は言えよ。食材のこともあるからな。」
俺はそう言い電話を切った。
その後、俺はパソコンを使って何を作ればいいか調べ、結局はブランケットを作ることにした。
……冬樹くんがパソコンと十分ほどにらめっこしています。何を見ているかまではわかりませんが、気になって仕方がありません。ですが冬樹くんの部屋を覗き見している身としては、「部屋で何をしていたんですか?」とは聞きづらいものです。彼が机の上のパソコンを凝視する程何を見ているのか気になりますが、彼だって年頃の男の子です、えっちいビデオだって見るでしょう。というか、ここで自分がえっちいビデオを見ていたことを知られたら、もし私が同じような境遇だったとしても、恥ずかしくて死にそうになりますし。バレたらとても怒られそうですが、それを想像すると少しゾクゾクします。
——新堂朱莉には少々Mっ気があるようだ。——
「ふう。」
調べ物を済ませたので、一度リビングへ戻ろうとドアノブに手をかける。ドアを開こうとすると、少し開いていることに気づく。ちゃんと閉めたはずなのにおかしいなと思いつつドアを開けると目の前には少し顔を赤らめた新堂の姿があった。
「何をしてるんだ?」
そう言ってから気がつく。まさかパソコンで編み物のことについてを調べていたのがバレたのだろうか。
「へあっ!?な、なんでもない、わけじゃなくて、その、えっと!」
俺と目が合った瞬間しどろもどろになり、いつもの饒舌さと丁寧な口調は消える。
「まあいい。何か用事があったんだろう?なんだ?」
「はい、実は何故か炬燵が動かなくなりまして。」
「炬燵が動かなくなった?」
思わず目を細めてしまう。あれはここに住み始めてからたった3年ほどしか使っていないものだ。そう簡単に壊れるはずがない。そう思いつつも、機械には故障はつきものだと思い直し、見てくることに決めた。
「じゃあ少し見てくる、ここは暖かいから少しくらいならいてくれて構わない。ああそれと、パソコンは電源を切ってあるからな。それにあれは新堂にだけは内緒にしておきたい。」
一層顔が赤くなったのは、俺の部屋につけていた暖房の温度を少しあげたからだろう。だがリビングにだって暖房はつけていたはずだし、ここと対して温度が変わらないはずだが。
案の定炬燵は壊れたわけではなく、プラグが抜けていただけだった。
———後書き———
どうも、「しろいろ」でございます。このお話、誤字脱字に加えて文全体が吹っ飛んでいたので、加筆修正いたしました。何人かは読んでくれた方もいらっしゃるとは思いますが、少し書き加えたところもありますので、飛ばし飛ばし読んでみてください。それではまた明日。
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