出会い、思い出、第2章

直人「あれが、」

彩美「宇宙人?」

見た目は小学五年生くらいの男子で白い軍隊服みたいなのを着ていた、俺達と同じ人間がそこに居た。

健太「・・・」

彩美「健太?」

???「・・・・」

健太「大丈夫だよ、傷はついてないね。」

???「・・・」

俺はこの子に歩みよることにした。微かに彼は笑っていた。そして俺は下に落ちていた、緑色の石に気づいた。

健太「これは・・」

俺はその石を手に取った瞬間

???「??」

直人「ウォォォぉい、健太、石が手に吸い込まれてるぞ、」ドゴ

彩美「ちょ、直人大丈夫?、また派手に転んでってそれどころじゃない、健太!」

手に石が俺は手が何とも言えない感覚だった、ぞわぞわするって言うんだろうか、驚きすぎて俺は反応できなかった。いつの間にか石は手の中に入って消えていった。

直人「なんだか首筋が気持ち悪くなってきちまった。」

???「*********************」

健太「うわわ」

急に喋ってきて、俺に乗っかて来た。そしてその瞬間俺は別の世界に飛んだみたいに知らない記憶が流れてきた。

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ヘルエデン国

宮殿

???「おーい、サリー」

サリー「父上」

父「気を付けて学校に行くんだぞ。」

サリー「はい」

ぼくは宮殿の外に出て、下界から迎えに来た、航空バスに乗って学校に行った。

家は天空界にあって、いつも航空バスに乗るのが面倒だなと思う。

下界に降りると、空を飛ぶ車、旧人民がデバイスを使って、SNSをしているが、我々新人民は、全て頭の中のホログラムでSNSやアニメを見てる。ただ、やはり映画はちゃんとモニターで見たほうがいい。迫力が断然に違う。

作業員A「今日も大変だなぁ」

作業員B「ですねー」

作業員が行っているのは航空場の新たな設営だ、今度宇宙旅行の事業があるらしく、自分たちが真っ先に楽しめる。これが王子の特権なのだ。

徒歩で歩いていると、学校に着いた。

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学校 

皇帝クラス

サリー「おはよう。」

クラスの人たち「おはようございます。」

教師「おはようございます。王子」

そう僕は友達がいない、皆僕を王様の息子ってだけで、皆距離を取っている。

まあ僕も人と関わるタイプではないので、それもあると思う。

教師「ミーティングが終わりましたので、五分休憩をとったら、授業を行いたいと思います。」

授業は僕にとって退屈なものだ、皆心こもってない褒め言葉ばかりで、時間だけが流れていく。

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休み時間

図書室

皆、グラウンドで遊んでいる、正直グラウンドで遊びたいなって思うが前僕が来たとき、皆急にテンションが変わり、僕ばかり贔屓されて全く楽しくなかった、皆と同じで居たかったのに、皆がそうさせてくれなかった。僕は仕方なくいつもの読書をしていた、電子書籍で、頭でも読めるが、本の紙で読みたい。

女の子「サリー様もこれ読んでるんですか?」

サリー「うぇぇ、あ、うん、そうだよ、この竜と騎士が契約して彼女の為に戦う話とても好きなんだ。」

女の子「ああ、すみません、急に話しかけて、」

サリー「いいんだ、君名前は?」

女の子「私ですか?」

サリー「うん。」

女の子「私、ハナ、ミチ・ハナ」

サリー「ハナさんか。」

急に話しかけられてびくりとした、いつも図書館に居る、僕と同じ根暗な女の子だ。確かにファンタジー系と読むジャンルは一緒だった。

ハナ「サリー様は外で遊ばないんですか?」

サリー「様はやめて、呼び捨てでいいよ、」

ハナ「失礼しました。」

サリー「いや謝る程じゃない。外は前遊んだんだけど、つまんなくて。」

ハナ「そうなんですか」

サリー「敬語しなくていいよ、僕ら年変わんないだろ、」

ハナ「ええ、そんなお母さんや先生に怒られちゃう。」

サリー「悪いことしてる訳じゃないし、それにバレなきゃ大丈夫だよ、最悪何かあったら僕が言ってやるから。」

ハナ「けど、私旧人民ですよ、いいんですか?」

サリー「新人民も旧人民も関係ない。」

ハナ「え」

サリー「僕らは同じ人間、ホログラムが埋められているか埋められていないだけ。」

ハナ「嬉しい、そんな事、他の新人民は言ってくれなかった。」

サリー「あいつらは馬鹿だからね、自分より弱いと思った奴によく吠えるんだよ、」

何だろう、こんなに楽しいって思ったの初めてかもしれない、いつもは話さない公民クラスと話しただけなのに、こんなに気持ちが軽くなるなんて。

ハナ「優しいな、サリーさんは、この話で誰が好きですか?、私はやっぱり竜が好きです。」

サリー「僕はね、、、」

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僕に初めて友達ができた、人生でずっとできないと思っていた。中々敬語は直らなかったけども、それから僕らは来る日も来る日も、毎日、図書館で会い、好きな本を語り明かした。退屈そのものだった学校がもはや生きがいとなっていた。

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図書室

ハナ「お、おはようサリー君。」

サリー「おはよう、ハナちゃん。」

ハナ「こ、これ」

ハナちゃんからプレゼントをもらった。僕が欲しがっていた騎士と竜のグッズだった。

サリー「え、これハナちゃん買ったの?」

ハナ「う、うんちょっと高かったけど、サリー君の為に奮発しちゃった。」

サリー「僕の為に、そんなお返ししなきゃ、何が欲しい?新しい本今ネットショップで買うよ。」

ハナ「いいの、サリー君が喜ぶ姿が見たかったから。」

サリー「ありがとう。絶対に大事にするね。」

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宮殿

王「サリー、ちょっとこっちに来なさい。」

サリー「何用ですか父上。」

この時の父上はなんだか複雑な表情だった。

王「最近、よく女の子と絡んでいるようだね、」

サリー「それに何か問題が?」

王「うん、今すぐその女の子と関わるのをやめなさい、その子は確か旧人民だろう。」

サリー「どうしてですか?ハナちゃんが旧人民だからですか?」

王「我々にもいろいろあってな、新人民と旧人民、何故、別れているのか知っているか?」

サリー「知りません。」

王「我々がこうやって生活できているのは奇跡としか言いようがないんだ。」

王「一応、いじめが起きてしまうために教科書等には載せていないが、紛争があったんだ。民衆政治という声と、ホログラム反対団体、別の国のスパイそして隣国との戦争が重なり我々の国が滅んでもおかしくなかった。」

王「だが、天の上から、突如石が落ちてきた、七つの石だ、全部揃うと虹色になる石がな、この石のおかげでなんとか紛争を止め、戦争も止めることができた。」

王「そして我々は人民、紛争をしてきた人民は旧人民と位置付けることになったんだ、今から100年くらい前の話だがな、」

サリー「けどそれは昔の話でしょう、今は関係ない。」

王「何を言う、いま私たちが生きていられるのはご先祖様たちのおかげ、それを忘れてはならぬ。」

サリー「だからと言ってこんなこと許されていいんですか?」

王「これは決まっていることなんだ。時には理不尽にも耐えねばならぬ。」

サリー「失礼します。今は体調がよろしくないので、」

王「どこへ行くサリー。」

僕は足早に自室に戻った、こんなの納得できるはずはない、

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サリーの部屋

サリー「どうして友達から離れないと行けないんだ。」

ハナからもらったグッズを見る。ハナが微笑む姿が見える。僕ハナちゃんが好きなんだ。

サリー「こうなったらいっそ王子なんて辞めたい。」

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宮殿食事場

王「・・・・」

サリー「・・・・」

今日はステーキだ、いつもなら美味しいのに、全く美味しくない、父上と一緒にいるだけで何もかもが嫌に見えてしまう。

王「サリー、食べ終わったら王室の間に来なさい。」

サリー「はい」

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王室の間

ソファが二つあって僕らは面と向かって話しをした。

王「サリー、まだ早いかもしれないが、これを。」

サリー「これは?」

手渡されたのは、縦長の透明なケースに入っている七つの石だった。

王「これは先程話した、七つの石だ、それぞれ色が違うだろう、これを持てば、きっとご先祖様が助けてくれる。納得いかないことばかりだろうが、」

サリー「ふざんけんなよ、こんなん渡されて何になるんだよ!!」

俺は怒声と共に、そのケースごと振り払った、こんなんで丸めこめられたくない。

王「サリー!いい加減にしなさい。」

サリー「いい加減にしてたまるか」

サリー「すみません。失礼します。」

王「サリー・・」

王「すまないが執事よ、この石をサリーの部屋に。」

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サリーの部屋

執事「失礼します。王子様」

サリー「どうぞ、」

執事「こちらを置かせてもらいます。」

僕のベッドの下に置かれたのは七つの石だった。

サリー「この石が一気に文明を進めたんですよね、確か。」

執事「ええ、この石のおかげで、電気やガスや、ホログラムが更に活性化し、私たちの生活は一気に豊かになりました。おかげでもうじき宇宙旅行にも行けそうなのも全部この石のおかげです。」

サリー「けど、その分、現在までの文明の進歩が90年くらい前から進歩してないですよね、ほぼホログラムの発展しか。宇宙旅行もですけど。。」

執事「まあ、そうですが・」

サリー「人間はどんどん愚かになって行くと思うんです。このままだと、」

執事「私はそうは思いません、だってサリー王子様自身が思いやりを持っていますから。」

サリー「やめてくれよ、僕の気持ちは分からないだろ。」

そう言うと執事は優しい顔をしてこう言った。

執事「誰も人の気持ちなんてわかりません。だから人は思いやるのです、失礼します。お休みなさい。」

サリー「お休みなさい、」

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図書室

サリー「あれ、居ない。」

いつもの図書館に居ない、そうか昨日の影響か

いつも座ってた二人の席、こんなに悲しくなるなんて。

サリー「司書の方、すみません、ミチ・ハナさんが何処に居るか分かりますか?」

司書「いえ、存じ上げません、ただその、しばらくこちらの方には来れないかと。」

サリー「どうして、あなたが校長か誰かに言ったんですよね、言わなければきっと。

司書「すみません、報告も一つの業務でして、図書室に行かれるサリー王子を皆知っていましたし、公にはされていませんが、王家の方々と旧人民が仲良くされるのはよくないと、私共々、教員は校長に言われており、もう隠すことが困難の状態まで来てしまったんです。私も二人はとても微笑ましかったので。」

言われてみればそうか、この方は僕とハナちゃんを密かに見守っていたのか。僕はなんて失礼なこと、、、

サリー「すみません、大変なご無礼を、いつも本当に楽しい本を読ませて頂きありがとうございます。」

司書「いえいえ、その頑張ってください。」

サリー「ありがとうございます。」

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公民クラス

先生方「いけません、サリー王子このようなことは・・」

サリー「いいんだ、僕はハナさんに話がある。」

僕は先生方を引き連れて教室のドアを開けた。

ハナ「サリー王子!」

サレー「ハナちゃん、行こう!」

ハナ「うん!」

僕はハナちゃんを教室から連れ出し、外に出た。

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グラウンド

ハナ「グラウンドで休み時間過ごすの初めて。」

サリー「僕も結構久しぶりだな、」

ハナ「ごめんね、私帰る前に先生に言われちゃって、ずっとこのまま会えないかと思ちゃった。」

サリー「大丈夫、先生なら僕が言い返してやるから、何があっても僕はハナちゃんとずっと一緒に居たい。」

ハナ「サリー君。ありがとう!」

サリー「しかし、次どこで会おう?」

ハナ「放課後、明日あたり映画館で一緒に見ない?竜と騎士の!」

サリー「いいね、うん一緒に見よう!」

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宮殿

王「何事だ、学校に迷惑掛けて、罪悪感はないのか!!」

サリー「確かに迷惑を掛けたことに関しては悪いことしたとは思っています。ですが僕は間違っていることをしたつもりはありません。」

王「何を言う、決まりを破ってまでもか?」

サリー「納得できないことは僕は従いません。どうしても従いなさいと言うなら、私は王子をここから出ていきます!。」

正に怒声の掛け合い合戦だった。

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王「執事よ、どうすればいいのか」

執事「一先ずはサリー王子がどれだけ本気かどうか確かめるべきではないでしょうか。、旧人民はホログラムを埋め込まれていない為王子のGPS機能は機能しますが、旧人民のプライベートまで認知することができません。」

王「そうだな、あいつはまだ11歳だ。どれくらい思っているのか。」

執事「ただ、お言葉ですが、その掟そのものを変える時が来たのかもしれません。私たちが警戒すべきなのは隣国であり、自国ではないのです。」

王「それはどういう?」

執事「また、隣国が兵器開発を進めていると諜報部隊から聞いております。」

王「なんと」

執事「まだ定かではありませんが。」

王「だが我が国には無敵のバリアが貼られている、石の技術を使ってな。」

執事「ですが安心はできません、何ともデータ兵器かもしれませんゆえ、」

王「データ兵器?まさか。」

執事「ええ、我が国ももう、無敵ではいられないかもしれません。せめて王子には楽しい人生を、」

王「だな、分かった急遽石をカプセルに入れ試してみるか、レインボーロードを、」

執事「はい」

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放課後、映画館

変装もバッチリだ、みんなただの小学生にしか見えないだろう。

ハナ「ごめん、待った?」

サリー「いや全然。」

ハナ「良かった(笑)、じゃあチケット

サリー「チケットならもう取ってあるよ、ほら」

僕はハナにチケットを二枚、竜と騎士劇場版を見せた。

ハナ「え、取ってくれたの?お金渡さなきゃ、」

サリー「いいよ、僕王子だから。」

ハナ「優し、ありがとう、だけど私は王子とか関係ないから渡すね。」

そう言って、映画代の現金を手渡された。

サリー「え?」

ハナ「だってサリー君はサリー君でしょ、王子でも新人民でも私にはただ一人の友達だから、大事にしたいの。」

その言葉を聞いた家のこともあって泣きそうになっちゃいそうだったけど、僕は男の子だから我慢した。王子としてじゃなく友達として見てくれることにすごく嬉しかった。

ハナ「サリー君大丈夫?」

サリー「大丈夫、嬉しくて、よし、もうすぐ始まるし、観に行こう!。」

ハナ「うん!」

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シアター

騎士「来い、ドラゴン俺に力を。」

竜「あいよ、そんじゃ暴れますか。」

竜と騎士が融合していつもの竜騎士になる、迫力のあるシーンだ。

ハナ「竜めちゃくちゃカッコイイ。」

とハナちゃんはぼやいた、けど僕映画観ないと行けないのに、ハナちゃんの横顔しか見ていなかった。

騎士「想いは伝わる、それが例え難しくても、軌跡は無駄じゃない。」

敵キャラ「なんだと。じゃ私の今までは何なんだぁ。」

騎士「フルドライブバースト。」

敵キャラ「そうかこやつは竜と仲良くやれている、私も向き合えば仲間ができたかもしれないな。」

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映画館

ハナ「滅茶苦茶面白かった。」

サリー「だね、最後のフルバーストは迫力がありすぎた。」

ハナ「やっぱり、友達って大事だね。」

サリー「うん、そうだねずっとこうやって居たい。」

映画の余韻に浸り、二人、顔真っ赤になって話し合った。

ハナ「サリー君これ、」

と言って手渡されたのは、キッズケータイだ。

サリー「キッズケータイ?」

ハナ「うん、私たち普通にネットでやり取りしようとすると、王家の方々に知られちゃうから。お母さんがこれなら旧人民のネットワークしか対応?してないから大丈夫って。これお母さんが昔使ってたの。」

サリー「そんなお母様の大事なキッズケータイもらっていいの?」

ハナ「うん、もう使わないし、それにいつでもやり取りできるよ。」

サリー「そっかありがとう。」

なんだか僕もらってばかりだなぁ、今度サプライズで竜のグッズあげようかな。

サリー「なんだかすごい親友って感じがする。」

ハナ「ズッ友だよ、私たち!」

サリー「うん、ズッ友だ!」

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宮殿

サリーの部屋

僕はあれからキッズケータイを使って、ハナちゃんとずっとやり取りしていた。

今日の映画楽しかったねとか今度水族館行こうとか魚食べられるとか他愛ない話をずっと、あれから父は僕に何も言わなくなった。そして会話することも無くなっていた。石もいつの間にか僕の部屋から消えていた。なんだか家族の暖かさが僕には分からなくなった。

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王「レインボーロードの調子はどうだ?」

執事「もう完成致しました。あとは大聖堂図書館に格納します。」

王「それなら良かった、これで息子は、サリーは一安心かな。」

執事「なぜ下界の大聖堂図書館に?」

王「確かに下界だが、直線ですぐにこっちに駆けられるだろう、自動運転モードはとにかく人の手より安心できる、これも石の力、何ともご先祖様は凄いな。」

執事「まあ、そうではありますが、」

王「それになんだか大聖堂図書館の方が安心なのじゃ、サリーはとにかく本が好きだからな、特に紙の。」

執事「そうですね、王子が本読んでる瞬間は本当に楽しそうです。」

王「もしかしたら自分の居場所が、私は彼を想像以上に追い詰めていたのかもしれぬ。」

執事「いつか分かる日が来ると思いますよ」

王「そうだといいが、」

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宮殿

今日は眩しい程いい天気だ、こんな清々しい朝は気分が晴れやかになるものだろうか、僕はならない、ただ今日は学校であまり、話せなくてもハナちゃんに会える、それだけで嫌なことが全部どうでも、よくはやっぱりならない、やっぱり父上との関係は気まずい。

執事「サリー王子おはようございます。」

サリー「おはよう、朝からご苦労様です。」

執事「サリー王子、手を差し伸べてくれませんか?」

サリー「?いいけど。」

そう言って僕は執事に掌を差し伸びた。

執事「では、」

そう言って執事がいつもは指輪をつけていないのに、今日は付けてることに気づいた、そして執事が僕の掌の上に指輪をかざした。

紫色の光が僕の手を覆い、砂嵐みたいだった。そして光は五秒ほどで消えた。

サリー「え、僕の手に何が起こったの?」

執事「人間にも微かに電気があるのは知ってますか?」

サリー「えっと静電気が起こる原因だっけ?」

執事「まあ簡単に言うと、その電気に細工をしました。その電気は相手の脳神経まで伝わることが微かに可能だと分かったんです。そして石の電工経路を少しもじって、ホログラムを埋めていない、旧人民にも自分の思いを伝えることが可能なんです。」

サリー「???、どういうこと?」

執事「まあ人それぞれに電気が違うんです。そして見た相手に、自分の思いを強く訴えることで言葉を通して、自分の思いを相手に伝えることができます。」

サリー「つまり、ハナちゃんに話さなくても自分の言葉を投げかけることができるってこと?」

執事「ええ、ただあくまで‘伝える‘だけで、‘会話‘はできませんが。」

サリー「凄い。」

執事「まあこれは実用は犯罪的視点から見て、ダメになったんですが、実はまだ廃棄になってないものがまだあったんです。それを、サリー王子にと。」

サリー「どうして、僕に?、」

執事「まあ、サリー王子なら変なことはしないでしょうし、それにこれがあることで変わることがあるかと。」

サリー「変わること?」

執事「はい。」

サリー「そうなんだ、よく分からないけどありがとう。」

執事「はい、これは二人の秘密ですよ。」

サリー「もちろん。」

執事(これがきっかけで親子関係が良くなるといいのですが、子は親に甘えるもの、彼はまだ幼い。きっと自分の内に秘めた思いがあるはずです。私はただ見守ることしかできない・・・)

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放課後

大聖堂図書館

僕は今日、初めて憧れの大聖堂図書館に来ている。大聖堂というだけあって、教会みたいな配色、神を信仰する場所になっている。自由の銅像があり、椅子がズラズラと並べられている、僕は二階の図書の大広間でハナちゃんと待ち合わせをしている。

少し遅れると来ているがこの待ち時間さえも楽しく感じた。それに今日は戦争から100年が経つ特別な日で今日は皆白い軍隊服を着ている、

サリー「早くハナちゃんと色んな本巡りしたいな。」

それに僕は竜のグッズのサプライズがある、そして僕は告白しようと思う。ハナちゃんに、僕はハナちゃんの恋人になりたい。

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テーゼ国

生放送

大統領「今日はヘルエデンの100回目の戦争終息記念日だが、我々はここにヘルエデンのこれまで受けた屈辱に抗い続けた。そして今ここに戦争を宣言する。我々人は人として生きるべきなのだ、我々の自由を賭けて。」

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王「なんということだ、核の防衛は?」

執事「核からは我が国民は全員ワクチンを受けていますが、爆発等の被害は、バリアがありますが、データ兵器がなんとも。」

王「今サリーはどこに居る?」

執事「大聖堂図書館です、今すぐ向かいます。」

王「取り敢えず、無人機の発進、人口兵器部隊の出撃、バリア発動、民の安全を優先に地下都市に避難だ。」

家来「御意。」

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図書館大聖堂

もはや図書館とは思えないほどに喧騒に包まれている、先程の頭の中に流れた映像のせいだ、戦争が始まる、そんなの信じられない、僕は今人生を楽しんできたばかりなのに、

サリー「そうだ、ハナちゃんは?!」

僕は慌てて荷物を持って大聖堂図書館の外に出た、それは動揺する人々、一刻も我先に避難する人、泣き出す子供、憔悴しきっている人様々で大量の群衆だった。

ハナ「サリー君!」

必死に叫ぶ声が聞こえた、ハナちゃんだ、僕は一刻も早く、ハナちゃんのもとに向かった。大量の人を押しのけて。

サリー「ハナちゃん!」

足元もおぼつかないまま、僕はハナちゃんと対面することができた。

ハナ「サリー君、大丈夫?、スマホから緊急速報でもう何がなんだか。」

サリー「僕もびっくりだよ、なんでこんなことに・・、ハナちゃんこそ大丈夫?」

ハナ「うん、私はなんとか。」

良かった、ハナちゃんは無事だ、怪我もしていない、

ハナ「サリー君、それ何?」

サリー「あ、これは、今日ハナちゃんにと思って、けどこんなことになっちゃうなんて。」

ハナ「そっか、貰っておくね、ホッとするから」

サリー「ありがとう、」

ハナちゃんにプレゼントを渡したその時だった。

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ヘルエデン国

上空

テーゼ国兵隊A「もはや、バリアは俺らの中じゃ無力だ、このデータ兵器さえ、あれば、なんだか罪悪感に押しつぶされそうだが」

宮殿

王「今どうなっている?」

家来「今は海と空の上で海、空はあたり火の海です、相手は兵を使っている模様、やはり、我々の方が戦では有利だと思います。」

王「そうか、相手のデータ兵器はどうなっている?」

家来「それが不明で・・」

王「なんと、」

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プレゼントを渡したその時、突如戦闘機が上空に現れた、

民衆「なんだ、あれは、」

民衆「どうなってんだぁ。」

サリー「嘘だ、バリアはどうなってんだ。」

ハナ「サリー君、」

サリー「大丈夫、僕が守る。」

その時だ、遠く離れた所で、大きな爆発が見えた。

民衆「うわぁぁぁぁぁぁぁ」

大量の群衆が押し寄せてきた、僕とハナちゃんは引き離された。

ハナ「サリー君、」

サリー「ハナちゃん。」

‘生きて‘とその時、ハナちゃんに生きてほしいと強く思った、僕はハナちゃんに伝わったのだろうか、執事の言う通りなら、

ふと気づいた瞬間、ハナちゃんは見えなくなっていた。

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王「どういうことだ?」

家来「どうやら、相手はステルス技術を使った、戦闘機を搭載しているようです。」

王「ステルス技術だと、ではデータ兵器は、?」

家来「はい、データ兵器はバリアや相手の攻撃、データを持ちいった攻撃や防御が全部無効になっているようです。」

王「まさかそんな・・・」

家来「幸い、地下都市の避難が進んでいます。」

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サリー「なんだよ、これ、」

所々に降り注ぐ、爆弾、降り注ぐ銃弾の雨、人が目の前でどんどん死んでいく、爆弾で体がバラバラになったもの、子供を抱きかかえたまま、銃に頭を撃たれ、亡くなったご婦人、泣き叫んだまま終わりを遂げた人、そこにあったものがまるでなくなったかのような、もはや都市とか呼べるものではなく、どんどん荒んでいった。

執事「王子!。」

サリー「執事!」

そこに、電動バイクで宙を舞った執事が自分のすぐ近くまでやって来た。

執事「ご無事で何より。」

サリー「僕はなんとも。、執事は?」

執事「私は大丈夫です。早く避難しましょう、乗ってください。」

サリー「分かった。」

辺りを見ると、周りに人は誰も居なくなっていた。僕は執事の後ろに乗り、出発した、魔法使いになった気分だった。

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大聖堂図書館前

サリー「みんなが避難している所の逆を行っていないか。」

執事「ええ、地下都市は確実に生きていける保証はありません。」

サリー「どういうこと?」

執事「王子には宇宙に行ってもらいます。」

サリー「は?」

僕は空を飛んでいて風圧が凄く幻聴だと思った、思いたかった。

サリー「ごめん、もう一回言ってくれないか?」

執事「王子、これから宇宙に行くのです。」

その時だった、すぐ目の前で爆発が起こり、僕は執事に抱きかかえられる形で落っこちた、

サリー「執事?!」

執事「私は大丈夫です、バイクもあとからついてきます。追尾機能をつけていますから。」

その時地上から、宇宙船が飛び出てきた。物凄い、地響きと共に。執事はすぐに立ち上がり僕に指示した。

執事「王子乗ってください、地下都市は生きている殆どの人が避難完了していますので、しばらくは安心です。民衆の心配はしなくていいです。」

サリー「いやだ、僕も地下都市に。僕は会いたい人が」

執事「王子!!」

いつも優しい執事の顔が凄い剣幕になっていた。

執事「王子には生きてもらわねばいけないのです。」

サリー「で、でも。僕には」

執事「生きてもらうのも王子の務め、果たしてもらわねば。」

ヒュ、とその時、音がした。執事の腹が徐々に赤く染まっていた。

サリー「腹が、」

執事「私のことは気にせず、バイクにメディカルポケットがありますゆえ。」

サリー「けど、僕は離れたくない、」

僕はもう目の前が滲んで何も見えなくなっていた、ただ、涙が流れていた。

執事「もう、何が起こるか分からない故に、許してください、」

そう言って、執事は僕を押し倒し、気づいたら、別の空間に居た。

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執事「無事に仕事ができて良かった。これでしばらくは王子は、安全ですね、迎えが大変でしょうが。さあ、私もそろそろ」

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宇宙船

操縦室

サリー「執事?!」

僕はとにかく、探索して、なんとか操縦らしきところに来た、自動運転になっているらしく、ただ、宇宙に向かっているらしかった。画面に写っている執事を見て、それだけで、現実を認めざるを得なくなった。

どんどん世界が崩壊する様を僕はただ、見ているだけだった。

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上空

兵隊A「宇宙船が急に消えた?」

兵隊B「たぶん我々と同じステルス技術を用いてるのだろう。」

兵隊A「こりゃ、撃つのは不可能だな、けど少し安心してしまう。」

兵隊B「俺もだ。」

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宇宙

宇宙船

サリー「僕の地球ほしは青いんだな、人の心と違って。」

僕は宇宙空間に居た、涙は枯れ果てた、何だかなにもかもが小さく見えて悲しくなった。

サリー「どうして、こんなことになっちゃったんだろう、」

僕は誰も居ない白い空間で考えた、しばらくって、何年こんな日々が続くんだろう、今、執事は、ハナちゃんはどうしているのだろう、父上は王様らしく、責務を全うしているのだろうか、

サリー「王子ってなんなんだ・・」

僕は王子で居られたことを誰よりも嬉しく、誰よりも悲しく過ごした人なんじゃないか、僕はなんだかやるせない気分になった。

そう思った時、宇宙が急に紫色に染まった。

サリー「なんだ、これ」

そして、機能が一旦停止し、宇宙船そのものが落ちていくような僕は近くの壁にもたれて、窓を見てみるとそこは町があった、

サリー「ここどこ?」

僕は理解ができなくなった。夢なのか、僕のヘルエデンはボロボロになっている筈なのに、綺麗な街並みがあり、山がある。月夜が輝いてる、僕の知っている場所ではなかった。

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裏山

ドゴーンと大きな音とともに、僕の宇宙船は落ちた、そこは木々が生い茂っており、僕の都市にはなさそうな風景が広がっていた、

サリー「何がどうなっているの、ここは?、僕は死んだの?」

その疑問は勿論、今この場では何もわからない、

サリー「もう突然色んなことが起こりすぎて、何もかもが嘘に思えてきた。」

僕ってやっぱり、ずっと一人なのかな、いや違う、ハナちゃんに出会うまで、僕は王子というレッテルに甘えて、友達を作ろうとしなかった。自分から壁を作ったんだ、一人でいることに楽だった、寂しかった自分を押し殺して、一人を選んだんだ、けど退屈と寂しさは消えることはなかった、僕は怖かった、王子というところしか見れてもらえないんじゃないか、自分という存在を認識してもらえないんじゃないか。

サリー「勝手に決めつけてたんだ、僕は。」

僕はぼーっとその場に居た、これからどうしようかなとふと考えたその時だった。

サリー「石が?」

七つの内の五つの石がカプセル装置から飛び出した。

サリー「石が浮かんでいる。」

そして、二つの石もカプセルから飛び出した、青色の石と、緑色の石は浮かんだあと、その場に転がったが、五つの石の前に紫色の穴が出現した、

サリー「まただ、また紫が。」

紫の穴はそれぞれの風景を映した、赤色の石は、廃れた、工場みたい場所、橙色の石はビルが並び立つ場所、黄色の石は森が生い茂っており、動物がいる場所、水色の石は綺麗な浜辺の場所、紫色の石は人影のいない路上、それぞれ違う場所だった。

サリー「なんか、今日ほど、色んなことが起こる、、」

僕はもう驚きすぎて、唖然とした。

そして石は強い轟音と共に窓の方にぶつかり、紫色の穴の世界に消えていった。

サリー「ご先祖様は何を思っているのか、、」

僕は疲れすぎて、もう目を閉じた。今日が夢だったらと思った。

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裏山

それは綺麗な朝日と共に来た。SPARKと書かれた連中が急にヘリや車から現れ、急にテナントを建てた。僕はあまりの騒々しさに目が覚めた。

サリー「まだちゃんと寝れてない・・」

僕はあの連中に文句の一つや二つ言ってやりたかった。

ただ、画面から聞こえる彼らの話声は全く理解できず、もう何がなんだかだったか。

僕はとても怖かった、色んな機器を取り出して、調べる彼らは、まるで見世物をみているような気分でおもちゃにされているような、おぞましい恐怖があった。

だから僕は彼らの侵入を許さないように、マニュアルを開いて、この宇宙船の勉強をした。

調査員A「本当にやるんですか?」

研究員B「うん、仕事だから頼むぞー。」

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裏山

ヘリ

調査員A「よし行きまーす。」

ヘリから飛び降りた調査員Aがジェットパックを背負って上からやってきたので、バリアの防御を最大にした。

調査員A「ぐはぁ」

グギッと音が鳴り響いたが僕はそんなの気にしなかった。

調査員Aは宇宙船にも触れず、バリアの空間によって跳ね飛ばされた。

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あれから、数時間が経過したのだろうか、僕は怖さと退屈と疲れと色んなものが重なり、食べ物でさえ、食べられなかった。

森の茂みに僕より少し年上だろうか、僕はもう色んなものに耐え切れなかった。

僕は執事が前言っていたことを思い出し、彼らに訴えかけることにした。今はもう一人は耐えきれなかったから。

サリー「お願い、僕と友達になって。僕は今仲間がほしい。」

彼らはまだ戸惑っているようなので、僕は続けた。

サリー「僕は、もう一人じゃ耐えきれないです。」

そう言ったが、まああの子たちは話し合っている、そりゃそっか、普通知らない人から声が聞こえたら怖いよね・・・

僕はなんて、馬鹿なんだろうと思ったが、僕はあの子達の入場を許可し、もう消えてしまいたいと思ったので、体育座りになって、今頃、戦争がなかったら、どうなってたんだろう、父上と仲直りできたら、どれだけ、心残りがなかったんだろう、ハナちゃんは今元気に生きているのかな、僕はダメみたい、そう思った時、ドアが開いた、

そこにはあの子達三人組が居た。

直人「あれが、」

彩美「宇宙人?」

健太「・・・」

そして一人の男の子が僕に寄り添ってくれた、何を話しているか分からないけど、彼の優しい声で自然と微笑んだ、そして、その子が転がっていた、緑色の石を手に取った時、石が、緑色の石が彼の手に吸い込んだ。後ろにいた男の子が派手に転んだが今はそれどころじゃない、

サリー「これは、父上から受け取った、僕が育った地球ほしの証、どうして。」

僕は彼に乗っかてしまった。

健太「うわわ」

そして、彼は倒れてしまった、、

僕のせいで・・・

直人「健太!!」

彩美「健太!!」

二人が駆け寄ってくる、

僕はこの先どうなるんだろう、お願い、僕に生きる気力を・・





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