妹と買い物

加藤愛莉。中学二年の俺の妹。

中学二年生のくせに、胸はそこそこあるとかロリ巨乳かよ。

色白で肉がついてるのかと疑うような細い手足。

そして童顔。

一言でいうなら美少女という言葉があっていると思う。

「お兄ちゃん!」

バン!と、大きな音を立ててドアが開く。

そこにはロリ巨乳ならぬ愛莉が立っていた。

「なんだよ?」

俺は頭を掻きながら愛莉の方を向く。

「お出かけしようよー」

またバカのことを言い出すのかと思えば、そんなことか。

「お出かけ?なんかほしいものでも?」

「まあ、そんなとこ」

なんか曖昧な回答というか……まあいいか。

「ふーん……分かったよ。ちょっと待ってて」

俺はそう言うと、嬉しそうに笑顔になった愛莉だった。


大型ショッピングモールにて。

愛莉には買いたいものがあるらしいが、ちょうど俺も買いたいものがあった。

例えば本とか、今日と明日のご飯など……ほんと食生活ってのは大変である。

俺は高校生で、一応バイトをしていることからお金はそこそこある。

お金はあるといっても、そこまで多いわけではない。だってバイトだもん。

「それで、ほしいものって何?」

ショッピングモール内を歩きながら愛莉に聞いてみる。

「新しい服が欲しいなあって思って」

服か……そういえば俺も新しい服が欲しいって少し前から思ってたよな。

この機会に買うのもありだな。

ということで、俺と愛莉は服屋に向かうことにした。

……それにしてもこのショッピングモールでかいよなぁ。

このショッピングモールは新しく建てられて二年ほどが経つ。

だから捉え方によってはまだ新しいのだ。

このショッピングモールには何度か来たことはあるが、どこに何があるのかは全然わかっていない。

「――あれっ、愛莉じゃーん!」

とそこへ、愛莉の名前を呼ぶ一人の少女が近づいてきた。

「わっ!朱音じゃん!元気ー?」

「うん、全然元気だよー」

この子が愛莉のクラスメイト……なのか?

「愛莉はお兄さんと買い物?」

「そうなんだよー。ねぇお兄ちゃん?」

そういいながら愛莉は俺に抱き着いてきた。

おい、場所を考えろって。ここ結構人多いんだぞ。

「お、おう……」

どういうことだかわからないが、一応話にのってみたけど。

「そうなんだ!愛莉もお兄さんに愛されてるんだねー」

「そうでしょ?」

やっぱりこの朱音とかいう子が愛莉のクラスメイトらしい。

なんというか、余計なことを愛莉に教えてくれたというか……。

愛している、というより愛莉に愛されていると捉えた方がいいかもしれない。

だってこの状況みたらそうじゃないか。

俺が妹に抱き着いていたられは愛しているという意味は正しいが、いまの状況は妹から抱き着かれているのだ。

「朱音も買い物?」

「うん。ちょっと生活用品をね」

「そうなんだー。私は服を買いに行くところだよ」

「服かぁ……あしたもそろそろ買おっかなー」

色々と朱音と話をした後、なぜか愛莉に抱き着かれたまま服屋に入った。









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