第84話「熊野古道」
私達の旅程は大阪から高野山へ、その後熊野三山それぞれの大社から、伊勢神宮に向かう海側の
大阪→高野山→熊野本宮大社→熊野那智大社→熊野速玉大社→花の窟→滝原宮
解り易く言えばこういうルートだ。
私達は出発地点に決めた高野山真言宗 総本山金剛峯寺にやって来た。
https://www.koyasan.or.jp/
此処のお寺は弘法大師空海は開山して約1200年経つという。
「ずいぶんたくさんの施設があるんだねぇ」
「開祖の空海和尚は唐の時代に自費留学して、密教僧の恵果から奥義を直伝された天才らしいですよ」
「へえー、天才なんだ」
「何でも虚空蔵求聞持法を修して天才になったと聞いてますよ」
「虚空蔵求聞持法ねぇ」
求聞持法は
『虚空蔵』は
うーん、昔の人のあやふやな理解で説明されても良く解らん。
そもそも『アーカーシャ』とは宇宙の図書館『アカシックレコード』の事だ。
『アカシックレコード』には世界の過去・現在・未来の全てが記されていると言う。
それは何処に在るのかといえば、世界のあらゆる所に満ちている『水』が記録媒体になっている。
アカシックレコードにアクセス出来たという事は、
瞑想行によって記録媒体から、情報を引き出せたという事に他ならない。
それは何処の水かと言えば、成人では約60〜65%の水分。
新陳代謝と共に外部の水分と情報の交換まで行っている。
『アーカーシャ』は虚空蔵菩薩と呼ばれるような人格神ではない。
ましてや『神』だの『菩薩』だのという訳の解らない存在でもない。
宇宙の図書館『アカシックレコード』とでも定義しなけりゃ訳が判らなかったろう。
仮に『菩薩』としても人の姿を思い浮かんでも、何にもならないと思うけど。
真言という
これはたぶん言葉の波動が脳を振動させてる、または振動させるのに必要だったのかも。
私がいろいろ考えて自説を
「貴方方は面白い事を語られていますね」
振り向くと一人の青年僧侶が面白そうな顔をしていた。
「貴方、私達が見えるんですかぁ?」
「はい、私は昔から霊感が有りまして、貴女方は人ではないとは思えますが」
「うん、人じゃないけど幽霊でもないよ」
私はアース神族の者だから、下級でも生粋の女神になるのかな。
人でも霊感が有れば私達は視えるんだ。
そんな特殊技能を使われなくても、見せようと思えば姿を見せるんだけど。
落ち着いている彼を見るに、人じゃない事は判っても正体までは解らないのかもしれない。
姿を隠している理由は、今の格好で人前に出るとコスプレイヤーみたいに思われちゃうんだよね。
食べに行く時は、人に見られても大丈夫なように今風の格好に着替えてるけど。
青年は密教僧の橘
私は真言密教の事を聞いてみた。
密教を習得しようとする人なら、必ず修める必要があって『三密加持』という行(ぎょう)を行(おこな)うそうだ。
この『三密加持』が密教で行われる全ての儀礼の基本になると言う。
『三密加持』とは、
印契を結ぶ『
口で真言を唱える『
御本尊の姿を観想する『
この三つの密を持って祈祷するのが『三密加持祈祷』というのだとか。
「なるほど、神仏に感応するから、神通力に通じるんですね」
「うーん、私の聞いた仏教とは似ても似つかない別物だねぇ」
「それはどうなんでしょうね。
でも御大師様は仏教の何たるかをサンスクリット語で読んで、ご理解なさっておられた様ですよ」
「「さすが天才!!!!」」
少なくとも私は人が神の力を借りる方法が解った気がした。
私なら頼まれれば協力する事はあるけど。
私達はその後しばらく橘
解ったのは施設の建物が沢山あったって事位。
仏像は姿形は違っても、ほとんどデーヴァ神界の神々の様だ。
中には非人格の法則まで仏像になっている。
曼荼羅ってのも、よく解んない。
私達は熊野古道に向かう。
和歌山の熊野古道は、その昔、神武天皇が東征した際に通ったルートでもあるらしい。
https://www.hongu.jp/kumanokodo/
紀伊山地には、「熊野三山」「高野山」「吉野・大峯」という三つの霊場があり、
自然崇拝に根ざした神道、中国から伝来し日本で独自の展開を見せた仏教、その両者が結びついた修験道など、多様な信仰の形態が育まれて来たそうだ。
うん、霊場というだけあって、精霊の地と同じ様な空気感があるね。
私と
こういう景色って、何だか北欧の森を思い出すね。
それにしても、この国には神社という神殿がやたらと多い。
そして神社毎に家主である神様もそれだけ数がいる。
正に神の国だけど、神様
神族の私としても、色々な意味でパラダイスと言って良い。
神界で評判の観光地になる訳だ。
ここ熊野古道にも道中いくつかの神社がある。
どこの神社にもそれぞれに挨拶して先を進む事にする。
「熊野古道には、神武天皇が東征した際に『
「おぉー、『
どうして賀茂
秘密結社の長だから正々堂々と名乗れず、偽名か暗号として『
その烏のルーツは中国古代の説話で、太陽の中にいるという3本足の赤色の烏の事を言う。
日本を裏で操る世界最古の秘密結社『
たぶん『
まず熊野本宮大社にお参りする。
http://www.hongutaisha.jp/
ここの御祭神は
既に会ってるから、御祭神へのご挨拶はもう良いよね。
熊野三山の神々は皆国津神のようだ。
私達は御朱印をもらって次に行く。
次に熊野那智大社にお参りをする。
https://kumanonachitaisha.or.jp/
すぐに見える那智の御瀧は熊野那智大社の別宮である飛瀧神社の御神体としてお祀りされているそうだ。
御祭神:
産巣日は法則だから非人格神の筈なんだけど、似た名前の別
ここでは御朱印として熊野牛王宝印をもらう。
三か所目に熊野速玉大社にお参りをする。
https://www.shinguu.jp/spots/detail/A0001
御祭神は|熊野
摂社には七体の御神像が保存されているそうだ。
私達はここでも御朱印をもらって伊勢路に向かう。
熊野信仰の起源は、熊野三山のそれぞれの神社に根差したルーツの異なる自然神信仰らしい。
それらは縄文人に信仰された自然神信仰を基調とする原始神道とよばれるらしい。
そして修験道が熊野に入って神道と密教が一体となり、熊野信仰となったそうだ。
それゆえ熊野は修験道の聖地とされているのだと聞いた。
「うーん、神仏習合というのがよく解らないね」
もしかしてチャンディー様の肩書と同じ様な事?
日本の神々がインドの神々と合体できる出来るものなのか?
神と
神とてまだ真理を知らないから、輪廻転生の籠の中の存在と言われた事がある。
神仏習合って、多分に人側の都合で政治的解釈に過ぎないだけなのかも。
「ヒルトさんが仏道修行をして、
しかし、仏道修行ねえ、神でも
旅が終わったら
花の
https://hananoiwaya.com/hananoiwaya/iwaya_index.html
ここはイザナミとカグツチが葬られた墓所なのだとか。
取り敢えず手前のお綱茶屋というレストランで古代米のうどんやおにぎり、団子を食べる。
「古代米なんてのが在るんだぁ」
「普通に美味しいですよ」
古代麦なんて聞かないけど、古代米はあるんだ。
珍しいから古代米も大きな袋の者を買っておく。
「次は最後の滝原宮こそが伊勢神宮の内宮ですね」
「天孫系の最高神様かぁ」
旅行ガイドを広げてみると、伊勢は真珠も有名らしい。
伊勢は創業者の御木本幸吉氏が真珠の養殖を世界で初めて成功させた地らしい。
真珠は元々運良く手に入る事しか出来なかった。
だから希少価値で有名な宝として扱われてきた物のはず。
それが養殖で大量に手に入るから、真珠が安く買える。
これは絶対に買っておかないといけないなぁ。
「よし、伊勢に入ろうじゃないかぁ」
「伊勢って伊勢うどんも有名なんですよ」
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