第17話

「以上が、わたしの『ためい気』の原因」

 一気に喋ったアオイは、色々なものを振り払う様に頭を左右に動かした。



(えい、えい)


 こうすると、記憶が片隅に追いやられていく気がするのだ。


「分かった」

 表情を一つも変えずに聞いていた有夢。

リアクションの薄さに、拍子抜けしているアオイを無視して言った。

「それで、どうする?」


「どうする、って?」

 訳が分からない彼女に、有夢は説明した。

「さっきのためい気で、アオイの『ためい気インジケーター』は一杯になりました。これから言うどちらか一つを選択する事が出来ます」

 有夢は右手の人差し指を立てた。


「もう一度やり直す?」

 そして、左手の人差し指を立てる。

「それとも、このまま過去を忘れる?」

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