第3話
次の授業の準備を始めようとしている級友の間を抜け、アオイは有夢の元へと向かう。
が、彼女の姿は消えていた。
「あれ、どこいったんだろう」
「・・・生稲」
首をかしげる私に、声が掛けられた。
「あ、大友」
振り返ると、同じクラス委員の大友(おおとも)カズヤが立っていた。
「あのさ、話があるんだけど、昼いいかな?」
「お昼?」
昼休みの屋上。
校庭から聞こえる和やかな雰囲気とは対称的に、二人の周辺だけは、ある意味緊張感が増していた。
「・・・ごめんなさい」
アオイが深々と頭を下げた相手は、動揺を隠せない表情のまま訊いてくる。
「どうして?」
「大友の事は、友達としか見れないから」
交際を断られた男子生徒が必ずと言っていい程聞く台詞を口にした。
「好きな奴、ほかにいるのか?」
一瞬考えたあと、彼女は軽く頷いた。
「・・・うん」
「そ、か」
がっくり肩を落として、大友は退場して行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます