『死』の軍勢
腕に着けた小さな盾で矢をすんでのところで払い除けるヴィル。
「危ねーな!!当たったらどーすんだよ!!」
とスケルトンに対しヴィルは悪態をつくが、スケルトンはなんの反応も示さない。
アルトはもう銃に魔法を込め終えていて、ニアは俺たちに筋力増強と直感強化、そして防御力強化の補助魔法を1人ずつ掛けていっていた。
「くだけろ!!」
とゴリアテが言いながら、1番背の高いスケルトンに対しハンマーを振り下ろす。
背の高いスケルトンは両手剣を横に持ち、ゴリアテのハンマーを受け止める。
金属の衝突する音が迷宮に響いた。
ギリギリ、とゴリアテと背の高いスケルトンはハンマーと両手剣の押し合いを始める。
アルトは、押し合いをしているゴリアテに攻撃をしようとするスケルトンに対し、体の至る所に魔法でできた弾を撃ち込む。
弾が1発でも核に当たったんだろう。
魔力で辛うじて人型に保たれていた骨は粉になり、迷宮に霧散した。
しかしさっきの金属音がほかのスケルトンに伝わってしまったのか、あちらこちらでスケルトンの歩く「カタカタ」という音がなり始めた。
「これは…かなりやばいな…ここを乗り切れたとしても生きて出られるか…楽しいかもしれねぇな…」
ここでアルトが楽しいと言うのはやはりおかしいと思ったが、全員の命が危ないのは確かだった。
ゴリアテは体の大きなスケルトンとの押し合いで勝ち、その後胴体を潰して核を壊していた。
そしてカミナはダガーをスケルトンに向かって投げた後に風の魔法をスケルトンの体内で発生させ、投げたダガーを不規則に動かし、核を壊していた。
しかし一向に数は減らない。
ヴィルがスケルトンの胴体を両手剣で貫き、霧散させながら言う。
「おい!そろそろ逃げた方がいいかもしれねーんじゃねぇか!!死ぬぞ俺たち!!」
しかし前も後ろもスケルトンに囲まれてしまっていた。
狭い通路でこの状況。
こうなってしまった以上。
死の覚悟を決めなければならなかった。
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