広間での会話

「2人で何してたんだ?」




1階の広間に向かうとアルトが聞いてくる。




他のみんなは本を読んだり、話したりしていたが、ヴィルは既に広間のソファで眠ってしまっていた。




「ううん、傷の手当てしてただけだよ。」




すでにフードを被り、目を隠したカミナが言った。




「お?ルドー、お前魔法使えるのにわざわざ手当してもらったのか?お前…もしかしてカミナのこと好きなのか??」




「いや、違うって!!ちょっとした傷だったから魔法を使うまでもないかなって思ったから、傷薬を塗って包帯巻いただけだって!!」




全力で否定する。




もしそんな噂がたってしまったらヴィルとアルトに馬鹿にされてしまう。




「そんなに大きな声出すなって、分かったから。」




とアルトが言い、町で聞いた事をみんなに伝えた。




「んん…こまけぇことはよくわかんねぇけど…とりあえず緑の賢者の迷宮ってとこに行きゃいいのか?」




眠っていたと思っていたヴィルだったが、一応話は聞いていたらしい。




「あぁそうだ、でも俺らはまだ資金が足りないから数回は4層と5層で何かしらの宝物を見つけて売り資金を得る、みんな、異論はないな?」




俺を含めたみんなが頷く。




「みんな、ありがとう、私のわがままに付き合ってもらって。」




ニアがみんなに頭を下げる。




「そんなに『あたま』をさげるな、にあはなかまだからな、『れい』なんていらない、たすけあいだ、たすけあい。」




ゴリアテが笑顔で言う、やはりゴリアテはみんなを穏やかな気持ちにさせる。




ヴィルは眠そうに、




「何でもいいからよ、寝ていいか?筋肉痛になりそうなんだ…」




と言うとアルトが、




「よし、あっ、これ。」




と言いながらコンパスを町に来なかった3人に渡す。




「これはな…」




と聞いた通りに説明し、みんなに渡す。




「じゃあ今日は解散か?」




俺が言う、正直さっきの出来事で一日の疲れがどっと押し寄せてきた。




「そうだな、みんなお疲れ様、ゆっくり休めよ。」




とアルトが言い、各々部屋へ戻って行った。




明日から初めての『探索者』としての活動だ、






ゆっくりと休もう。

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