寮にて
坂道を下り、寮の広間へと向かう。
「お?やけに遅かったなルドー、何やってたんだ?」
俺が戻ってきたことにアルトが気づく。
「父親と同じでどっかに行っちまったかと思ったぜ。」
ヴィルが小馬鹿にするように言ってくる。
少し腹がたったが、相手にするのも馬鹿らしいからやめておいた。
「あぁ、ごめん、ついでに所長の所に行って自分の父親の行方を聞いてたんだ。」
「あー、そういやどこ行ったんだ?お前の親父。」
「ハイアイランドってとこに行ったらしい。」
と答えると、パーティーメンバーのほとんどがその場所のことを知らないらしく、不思議そうな顔をしていた。
「どこにあるんだ?その…ハイアイランドとかいう奴は、俺はきいた事ねぇぞ?所長に嘘でもつかれたんじゃねぇか?」
ヴィルは余計な一言が大好きなようで、こんな感じのことをいつも言ってくるが、そういう生き物だと思うことでなんとか冷静になっている。
「いや、本当にあるよ、そこ」
カミナが口を開く。
「私の住んでたとこはそこの近くだよ。」
一瞬みんなが驚いてカミナの方を見ると、カミナは話し始めた。
「私はその地域の地主の娘なんだ、だから周りのことを知ってるし、あの島の特殊な環境も知ってる、説明すると――――――――」
よかった、余計な説明をせずに済んだようだ。
「いいじゃん、面白そうだし、俺はこいつの目的について行くぜ?お前らは?」
アルトは俺の目的を分かってくれたかどうかははっきりしないが、少なくとも着いてきてくれるようだった。
そしてほかの仲間に関して、ヴィルは気乗りしていなかったが着いてきてくれるようだった。
「そういえばルドー、あの迷宮の宝物はどんな傾向だったんだ?」
「薬品とそのレシピ本が沢山眠っていたらしい、こないだ手に入れた金貨と宝石は、昔の薬売りのへそくりらしい。」
「なんだそれ、薬?俺たちにでも作れそうな便利な薬とかねーかな?」
「図書館にあったわよ?私がほとんど暗記してるしメモも取ってるから大丈夫よ。」
「お、そうか、サンキューな、ニア。」
アルトが少しニアといい感じなのがムカついたが、平静を装った。
「じゃあどうする?ここに目的の品はなさそうだろ?アルトの父親の事も考えながら、迷宮の周りの町に魔法書と杖が眠ってる迷宮の話を聞きに行こうぜ。」
そして俺たちパーティーは、町に繰り出すことになった。
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