第6話②
もしかしてだけど、ふたりはふたりでいられることを守りたかったんじゃないのかな。だって、国王夫妻とはいえ、ふたりは家族なんだから。私たちは、難しい政治のために、ふたりの大切なものを壊しちゃいけないんじゃないかな。
もちろん、わがままだってことは分かってる。国のトップだから、簡単に国を捨てちゃいけない。でも、それでも。
そんなに、国って大事なのかな?
私にはわからない。そんなにロベスが国を大事にする理由が。
当然、大事だよ、国は。でも、家族っていう大切な人、大切な繋がりよりも大切なものが国だっていうことは、違う気がする。
そう思う私は間違ってる?それとも、正しい?
ロベスならなんていうだろう。
「ねえ、ロベス。国と家族、どっちが大切?」
「私なら家族ですが、それが何か?」
「ルイさんが逃げたのは、家族を守るためなんじゃないのかなって思って……。それなら、逃げ出した理由も分かる気がするから。そんなに、国を捨てたことは罪なことなのかな?」
「国王だから罪なんですよ、楠本さん。
一国の王たるもの、国を捨てるなど言語道断。国を捨てることは民を捨てることと同じなのです。」
「……どういうこと?」
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