第5話③
「フランスのためを思えば、国を捨てた王など必要ない。」
ロべスはそう言い捨てた。
「これから国王夫妻を連れてパリに戻る。王がどうなるかはそれからだ。」
私は、ロべスが言っていることは正しいと思う。一国の王様が国を捨てるなんてとんでもない。
でも、きっと、それだけじゃない。
王だけがわかる、王の苦しみがあるんだと思う。マリーさんにしてもそうだ。きっと王妃だけがわかる王妃の苦しみがある。それを私たちは考えてる?
いや、少なくともロべスは考えていない気がする。
ロべスが考えているのは国のこと。一人の人間としてルイさんやマリーさんを見ているようには見えない。私はそう思う。
ルイさんにも家族がいて、お母さんがいて、そして宝物がある。どんな人間にも一番大切なものはあって、それを失うくらいなら死んでもいいと思うこともある。
私にとっては、学校の友達。
なんか、もう帰りたいな。私の家に。
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