第3話②

「関所はどこ?」

「あっちです。」ロべスは右斜め前を指さした。その手の先には、レンガ造りの大きな建物があった。

「おけ、行こう。」

 私とロべスは駆けだした。

 建物は一階が審査するスペースとして使われており、二階と三階はその待機場所だ。おそらく、そこに変装した国王夫妻がいる。いや、絶対いる。

「どうぞ」ロべスは入口ドアを開け、私を通した。二人そろって中に入る。

一階で審査を受けているのは一人の老婦人だ。

「あの人、マリーさん?」

「いいえ、もっと背が高いはずです。」

「じゃあ違うわね。」

 二階に上がる。階段は薄暗かった。

「ロべス、いそう?」

「います。あの奥にいる三人組です。左が付き人で、真ん中がマリー殿下、右が国王殿下です。」

 見つけた!!

「失礼いたします。私はロベスピエールと申す者でございます、国王殿下。」

 国王はハッとした表情を見せた。

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