第2話②
「大事な時に?なにがあったの?」
「国王が、逃げ出してしまったんだ……。」
あ、あはは。国王って誰だよ。まあ、やばいなってことはロべスのしゃべり方でわかるけど。
「あの、国王って……?」
「ルイ16世殿下のことに決まっているではありませんか。」
あ、はい。ルイさんね。ルイさん。
「彼は今もなお逃げ続けていて、見つかっていない。どこへ行ってしまったのやら……。革命はまだ始まったばかり、今こそフランスを立て直す格好の時だというのに。情けないったらありゃしない。」
国王、イコール、ルイ16世は逃亡を図った。
あ、それってもしかして!!
「ねえ、ロべス。ヴァレンヌっていう町に心当たりがあるんだけど、どこだかわかる?」
「ええ、東方の小さな町でございますが、どのようなお心当たりが?」
「国王とマリー・アントワネットがいるかもしれない。いや、絶対そこに行けば二人は見つかるわ。」
「あいさん、なぜマリー殿下も行方知れずだと分かったのですか!?」
「それはね、私は未来から来たからよ。」
「未来から来た!?」
「そのとおり。私は未来人。2004年生まれで今17歳よ!
だいたい250年くらい先にはね、この事件はヴァレンヌ逃亡事件って言われることになるの。学校の授業で習ったのよ!私、珍しく授業のこと覚えてたなあ。」
最後の一文は独り言だ。
「にせん?がっこう?よくわからないが、これはたまげた。」
「私に任せて、ロべス!」
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