2ドキッ〜子役時代の友達

あたしが思いにふけながら

家に帰ると


お父さんは帰って来ていた


あたしん家は、町田市の一個立てで


あたしの部屋は一階にあったので

″顔も見たくない″と


言われていたあたしはいつも

自分の部屋の窓から


入ってアルコールのシートで手を拭いて

今日買ったLaptonのミルクティの900mlのを

長いストローさして何も考えず飲む


大好きなアニメ

美少女戦士メイドスター

主人公のおりちゃんが

大好きで、おっちょこちょいで

泣き虫で、わがままだけど、


いざとなれば仲間を助けるため、

命を犠牲にする、織ちゃん見たくなりたい


そしてゆくゆくは、せかちゃんみたいな

王子様が…


なーんてあるわけないですね


(妄想酷くてすみません)


「やっぱ織ちゃんしか勝たん」


あたしは、フリルキューティ世代だけど


でもやっぱメイドスターには勝てない


ミルクティーを飲みながら

しみじみ思う



「あそうだ、」


1人でそう呟くと、


「覚えてないよねぇキミは…

覚えてないといなぁ」


だってあたしを覚えてたら


仕掛けなんてするの躊躇しちゃうから


どうしても、頑張りたい


最後まで役立たずなんて、


「絶対に嫌っ!」


あたしは漏らすように、


ため息混じりにそう言った


するとお父さんとお母さんがお買い物に

行くと、あたしは台所に行って


ご飯作って自分の部屋に運んで食べていた


ご飯を食べながら、子役をやってた

時のことを思い出した


あの時が史上最高に楽しかった


だって、1番生きている実感

してたんだもん


「あぁ懐かしいなぁ、」


そう思っていると、机に置いていた


スマホが揺れる、あたしは見ると


さっきの人から、で出てみると


「あっ!もしもし、」


さっきの人の声ではあきら違う声

しかも女の人、


「もしもし〜久しぶり〜」


と女の人が言う、


「あの〜」そう言ったら


「え?この声で気づかない?」


そう言う女の人、だから


「ご…ごめんなさい」


「あたしだよ、椎名しいな 穂愛花ほうか


あたしどうしてか涙が出てきた


「え?、ほうちゃん」


ほうちゃんとは、子役時代におねぇちゃん

みたに接してた


その頃は携帯なんか持ってなかったら

連絡先、交換してなくて


「どうしたの?」


「ほうちゃんにずっと、会いたかったしずっと、話聞いて欲しかった」


あたしの腐ってしまった、

人生をまた薔薇色に彩ってくれる


そう思い、


「ねぇ、、連絡先、」


「それはこっちのセリフだよ」


あたしは嬉しくって、涙が止まらない


「すっ…」鼻水を啜ると


「ないっ…てるの?」


そう聞いてくるか


「当たり前だよ嬉しんだもん」


でも…今の生活のことは言えない


折角、ほうちゃんに会えたけど


このドッキリが終わったら…天使になる


いやっ悪魔かもしれない


だって、ドッキリで芸能人…


助けてくれた、相手に

ドッキリを仕掛けるなんて


バチが当たりそう…でも頑張る


「じゃぁLINE教えて」


ほうちゃんがそう言うから、


教える、口頭で伝えて


「はいじゃぁ今から、LINEするから」


一旦電話を切ってその直後LINE電話が来て


「はいもしもし」


「これあたしだから」


あたしは嬉しくて、立ち上がってしまう


「あっ!そう、どうしてあたしだって、

分かったの」


「だっ…だって、LINEのアカウントフルネーム

じゃん」


「あたしの本名覚えていてくれたんなんて

嬉しいよ」


もう語彙力ないから、さっきから

″嬉しい″しか言ってないけどすみません


「うん芸名も覚えてるよ」


「…やめて、」


「え?あたし好き大好きだけど」


(ホント?だって愛取アイドル 美咲ミサキなんて)


お母さんが勝手に付けた


アイドルじゃないのに


あたしは名刺を見て


「ほうちゃんはこの、雫谷しずやさんと

どういう関係なの?」


「えっ!…」


戸惑う様子を見てると、恋人だと気づく


「いやっ誰も、プライベートな関係を聞いてないけど、恋人っていうのはなんとなく伝わった、」


電話の向こうのほうちゃん、恥ずかしいのか

息辛くなる


「ほうちゃん仕事上の関係は」


「あっ、そっちねっ!」


「いやっ!そっちは後で聞くから」


「やっ!それは…勘弁して〜」


(ほうちゃんって今20だよね?)


「お願い教えて、」


「みぃちゃんも大人になったんだ」


「まぁねぇ〜」って″ぼる塾″田辺様みたいに

言って見る


「あははは」って笑われる


「笑いすぎ」そう言うと、


「好きがコラボしたらこんなに

面白いんだって思うとおかしくて」


「ありがとうとだけど、さっきの事教えて

まだ、ほうちゃんって20歳だよねぇ」


「うん、あたしねぇ今年高島制作に

入社したんだ、はぁちゃんとは同期…

そしてねっ!実は、あたしがドッキリに

使いたかったんだ、だってあたしね、

みぃちゃんとずっと、会いたくて、

あとはぁちゃん、みぃちゃんの事

ファンだったんだって、写真見せたら

興奮してた、」


(だから″いたっ″て、あの時言ってたんだ)


でもなんであたしって分かったの


「あたしってあの時のままなのかなぁ」


「多分、全然変わってないって言ってたから」


大人の女性になった、と思ってたのに


「でも、」そう不服そうに言うと


「ファンだった人の意見は絶対だよ、

だからあたし会うのめちゃくちゃ

楽しみなの」


こんなに嬉しがってもらう事なんて、

ないから、


「雫谷さんに本当に感謝だよ」


「いやっ!神様に感謝だねっ!」


そう興奮気味に、ほうちゃんは言った


確かに、あの時2人は偶然あったんだから


「ホントだね」


そう言ってその後は会う日時を決めて

電話は終了して、


久しぶりの感情に、涙が出てくる、


まだあたしにも、こんな感情が

あったのかと思う、




人はなくしたと思う物がまだあったんだと

おもうと、心は月も星もない夜みたくなってたのに、


一気に満天の星の夜空みたく、輝くんだと

気付かされた

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