第7話 大阪で。

すっかり晴れ晴れと心機一転、カッコいい旦那さまと、憧れの都会での生活。

旦那さまは、呉服屋さんを営むことに。誰も自分を知っている人がいない。活気ある、華々しい生活は、これぞ新婚生活に相応しかった。

大好きな着物に毎日触れて、元気な人たちとの交流。すぐに馴染んで大阪弁のなまりも身についた。

しかし、子宝にはなかなか恵まれず、何回か流れてしまったようだ。

それでも、そんな悲しみに打ちひしがれることもないような、目まぐるしい毎日だっただろう。

そんな中、実家を継いでいる弟のところには、男の子と女の子が2人生まれていた。

女の子を養女として育てるべく、大阪に呼び寄せて可愛がった。

時代は戦禍にあっても、着物と食べ物を交換するなどという、ありがたい交流で、ひもじい思いもしなかった。

いよいよ、大阪にも空襲など、激しくなってきたため、旦那さまの実家に戻ることになった。

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