第6話 結婚2

どれくらいの日々が過ぎたかは定かではないが、また次の出会いが巡ってきた。

当時の、いわゆる出もどりは田舎であれば尚のこと、家族ともども肩身の狭い思いをしたであろう。

気の強い五十鈴は、きっと、

「悪い男にあたったものだ!」

と世間の目を一蹴したかもしれない。

「とにかく都会に行きたい」

「ココから離れたかった」

とも言っていたから、心の中は相当なダメージを受け、辛い思いをしていたのではなかろうか。

そんなとき、舞い込んだ縁談が、すこぶるイケメンで、背が高く、ひとまわりほど年上であったが、今から大阪に出て商売をする…という、うってつけの相手だった。

2つ返事で引き受けて、大阪での新しい生活が始まったのだった。

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