第5話 結婚
昔のことなので、女学校を卒業すると同時に嫁入りするのが当たり前だった。
卒業が近くなると、麗しい五十鈴には婚礼の話が尽きない。親はいい相手を探してきた。家からは少し遠いが、それなりの家だったのだろう。
小さい頃から聞かされた話しでは、笑い話程度で聞き流していたが、今考えると、なかなかの衝撃だ。
新婚当初から、旦那さまはおとなしく、オトコとして役にたたず、こどものソレのごとく、親指程度だったらしい。
いくら、昔の女の子が純白で初々しいままだっだとしても、オカシイ…と感じたようだ。
挙げ句の果てには、夜な夜な五十鈴の布団に舅が入りこんできた!
五十鈴はそれはそれは恐ろしくなり、取るものもとりあえず、実家に逃げかえった!
大事に大事に育てた長女の嫁入りであった。嫁に持たせる家具一式も最高級のものばかり。それを全て投げうってでも、もう2度とその家に帰ることなく、1度目の結婚は終わったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます