第3話 気遣う想い

おそるおそるリビングのソファーをみたけど姿が…あっ、寝てる?

そこにはソファーに横たわり寝息をたてて寝ている彼の姿が…。


「ほんとに寝てるの?」と小さく声をかけてみたがやっぱり反応がない。


そうだよね…今日はほんとたくさん迷惑かけちゃったんだもんね…。

私は掛物をもってきて彼にそっとかけた。


「ありがとう…お疲れ様…。それから…ごめんなさい…。」


と寝ている彼にむかってまた小さな声でつぶやいた…。


そして、チューハイを1缶もってきて、彼の横たわっているソファーの下にすわりそれを開けて飲んだ。

ごくごくごく…喉が渇いていたせいか…彼の前で緊張していたせいか…私は半分以上飲み干していた。


「はぁ…寝ててくれて…ちょっとほっとした…。私ってほんとバカ…。未練たらしく元カレの服捨てられないなんて…。彼への配慮もないし…。もし…彼とそんな雰囲気になってたら…私…どうしてたんだろう…。こんな気持ちのままじゃ…きっと拒んでまた傷つけてたかも…。」


私はうつむき…両目を両手でおおった…。


酔いがまわってきたのか…疲れなのか…眠気なのか…意識がスーッと遠のいていくのを感じていた…。

ベットに行かなくちゃ…とは思ったけど…もう体が重くいうことを聞いてはくれなかった…。

そのまま…私は睡魔におそわれ意識が…。

あ……もう…だめ…。


私は座りながらうとうとしている自分を遠い意識の中…うっすらと感じながらふわふわと心地よい雲の上に浮かんでいるかのような感覚でいた…。


「うーん…残業…終わり…」私は夢見心地で寝言を…。

なんか…左側があったかいなぁ…。

安心する…。



「はぁ…ここで寝んのかよ…しょうがねぇなぁ…俺の肩を貸してやる…感謝しろよな…」


私は誰かに寄りかかりながら…


「寝れるわけねぇだろ…こうでもしなきゃお前…困るだろ?元カレのこともまだ忘れられてねぇのに…。しかし…ほんと無防備だよなぁ…俺であることに感謝しろよな….。」


そしてそんな心地よいあたたかな声を聞きながら…私は夢の世界におちていった…。


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