【超能力先輩と水割り】

万、愛→3年生

ちよ→2年生

幽見→1年生


特に時期とかはありません。

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ち「……お酒を水で薄めることを、なんで水割りって言うんでしょう」

万「薄めるって言うと、誤魔化して売ってるみたいで表現が悪すぎるよ……」

愛「そもそもお酒飲まない未成年が、そんな話しても意味なくない?」


ち「お湯割りとか炭酸割りとかはわかるんですよ」

幽「炭酸割りってあんまり聞かないですけど、合ってます?」

万「あるにはある。ただ、ソーダ割りの方が聞き馴染みがあると思う」


愛「ソーダ割りと炭酸割りって同じなの?」

万「同じじゃないよ。ソーダ水を使うか炭酸水を使うかが違う。ただ、炭酸割りが無くてソーダ割りとして提供されてるお店も多いよねって話」


ち「先輩、妙に詳しいですけど……」

万「違うからね!? ほら、いつもみたいな変な小説のおかげで知ってただけだから」

幽「なんか、自分から変な小説って言うの怪しいですね」


万「怪しくないから!!」

万「それより、今は水割りの話でしょ!? 水割りの語源は……」


幽「逃げましたね」

愛「解説することで追及から逃れようとしたね」


万「水割りって言うのは、ざっくり言えば希釈することなんだけど、たとえばみりんとか醤油も水で薄めることを割るって言い方するよね」

万「あとはすき焼きの煮汁のことを割り下って呼んだりね」


万「割るって言うのには、薄めるとか混ぜ物を入れるって意味が含まれてるんだよ」


愛「いつもと違って解説がスムーズじゃないね」

幽「なんかいろいろ言ってましたけど、つまりどういうことなんですか?」


万「皆が動揺させるようなこと言うから、自分で何が言いたいのか分かんなくなっちゃったんだよ!!」

愛「やましいことがあるから動揺したんじゃないの?」

万「ないよ!! やましいことなんて!!」


ち「あの、私が聞きたかったのは水割りの語源じゃなくて、なんで水割りをするのかって話なんですけど」

幽「……? それは普通に飲んだら、アルコールが強くて飲めないからじゃないですか?」


ち「思ったんだけどさ、じゃあ最初から薄めた状態で作ればよくない?」

愛「それは人によって好みがあるからじゃない? 水以外でもお湯とかソーダで割りたい人もいるだろうし……」


万「そもそもウィスキーや焼酎を割るのは、日本人に合わせてるんだよ」

万「海外の人はウィスキーをそのまま飲むことが多いし、せいぜいロックまでが一般的だからね」

幽「でも前にYouTubeで海外に人気なカクテルってみましたよ。コーラで割ったりしてました」


万「たぶんだけど、ウィスキー9割、コーラ1割ぐらいじゃなかった?」

幽「……言われてみればそうだったかもしれません」

愛「海外の人ってお酒強いんだね~」


万「みんながみんな強いわけじゃないだろうけど、そういうお酒が好まれるんだよね」

ち「でも日本人は強すぎて飲めないってことですか?」

万「そのままだと苦手な人が多いってだけね。ロックが好きな人ももちろんいるだろうし」


幽「万先輩は何が好きなんですか?」

万「俺は飲まないよ!? 未成年だからね!?」

愛「カマかけに引っかかるかと思ったのに……。意外と隠し上手だな」

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