【超能力先輩と夜行バス】

万、椛→3年生

ちよ、楓→2年生

時雨→1年生


特に時期とかはありません。

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時「あ、友田先輩もいるんすね。ちょうどよかった」

楓「なに、私に用事? 珍しいね」

ち「楓に用事ってことは食べ物絡み?」


時「連休中にライブに行ってきたんすよ。お土産も買ってきたんで、皆で食べないっすか?」

万「お土産なんて気にしなくてもよかったのに。わざわざありがとうね」

椛「ライブって言うと、あのゲームのライブか? 会場遠かっただろ」


時「そりゃ遠いっすよ。なんせ都会も都会っすからね」

万「そんなに遠くまでどうやって行ったの? 新幹線でも結構お金かかるよね?」

ち「まさか超能力使って!?」


時「いや普通に夜行バスっすよ。意外と値段抑えられるんで便利っす」

椛「へぇそういう手もあるのか」

楓「でもいろいろと気にならない? ちゃんと寝れるかなとか、お腹空かないかなとか」


万「眠りについてはともかく、空腹の心配は友田さんだけでしょ」

時「実際に乗ってみると空腹って結構きついっすよ」

椛「サービスエリアで止まるだろ? ガッツリ飯ってのは無理でも、ちょっとお菓子買うぐらいは余裕あるだろ。適当に買ってバスの中で食えばいいし」


時「いやいや、みんな寝てる中でお菓子とか食えないっすよ。ガムか飴が精いっぱいすね」

ち「うーん、それじゃさすがにお腹一杯にはならないよね……」


楓「お腹空いてると、ちゃんと寝れなくて大変だよね」

椛「そりゃ盲点だったな。意外と寝てれば到着のお手軽旅行ってわけには行かないか」

ち「でもそんな中途半端なコンディションで、ライブ楽しめるの?」


時「そう思ったんで、前々日から向こうに行ってました。帰りも夜行バスなんでライブ終わってから直帰って感じっすね」

万「間の1日で適当に観光したり体を休めれば、万全の状態でライブが楽しめるってわけね」

ち「帰りはどうせ疲れてようか眠れなかろうが関係ないもんね」


椛「ところで俺にお土産はないのか?」

万「……? 何言ってるの? お土産ならここにあるじゃん」

楓「いやそういう意味じゃないと思いますよ」


時「もちろん、先輩の分もありますよ。タオルとバッグとボードっす。俺の家に置いてあるんで帰りに取りに来てください」

椛「おお、悪いな。わざわざ買ってきてもらったし、少し色付けて渡しておくよ」


ち「……なんか回りくどい転売を目撃した気分です」

万「悪質性がないだけマシだと思おう」

楓「わざわざ安い夜行バス使って弾丸旅行してグッズを横流しって、本当の転売ヤーみたいですね」


時「失礼な!! 俺たちは愛あるファンっすよ。転売ヤーとは違います」

椛「バッグはどこに飾ろうかな~。確か棚の空きスペースが……」


万「愛あるファンのくせに、デザインじゃなくて物自体に興味津々だぞ」

ち「ファンとかじゃなくて、ただのコレクション趣味ですよね」

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