【超能力先輩と無地】
万、愛→3年生
ちよ→2年生
特に時期とかはありません。
依頼で出かけている途中です。
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ち「先輩って地味な服が多いですよね」
万「え、そうかな。特にこだわりがあるわけじゃないんだけど」
ち「普通のポロシャツとか、真っ白のシャツとか、黒一色とか。下もそうですよね」
万「ああ、まぁ、言われてみればそうかもね?」
愛「でもべつにオシャレに興味ないってわけでもないでしょ?」
万「いや、あんまり頓着はしてないよ?」
愛「そうなの? 万が着てる服、ちょっといいブランドのシャツだからさ」
ち「え、先輩ってブランド物とか着るタイプですか?」
万「これは前に助けたおじさんから貰った服だよ。どっかの社長って言ってたけど服屋の社長さんだったんだね~」
愛「……お前、だんだんと椿先輩に似てきたな」
ち「さすが先輩ですね」
万「椿先輩に似てるってのは誉め言葉として受け取っておくよ」
ち「高いブランドなのに、そんな無地のシャツがあるんですね」
万「土砂撤去の手伝いだから汚れてもいい服って言ってたから着てきたんだけど……」
愛「そうなの!? てっきり現場に行くまでの服で、作業するときは着替えるのかと思ってたんだけど!!」
ち「……あんまり聞きたくないんですけど、この服いくらですか?」
愛「大人向けで地味なデザインが多いブランドだから、詳しくは無いけど」
愛「まぁ、だいたいこのぐらいじゃない?」
万「おお、ちょっと高いね」
ち「いや、高校生が着るレベルのシャツって考えたら、めっちゃ高いですよ」
愛「熱狂的なファンは多いけど、宣伝とかにもお金かけてないしデザインもシンプルで地味だから、高級ブランドの中では下の方だよ」
ち「それでもちゃんと高いんですね」
万「まぁ、でもいいかな」
愛「なんで? シャツはシャツだろって? たしかに地味で無難で目立たないシンプルなデザインだけど値段は一級品だよ?」
万「人の服を地味だの無難だの目立たないだのシンプルだのと……」
万「そもそも、俺の超能力なら服を汚さず作業できるし!!」
ち「鏡柳先輩、気持ちは分かりますけど、そんな煽るようなこと言ったら、さすがの先輩も起こりますって」
愛「そんなの幼馴染なんだから分かってるよ!!」
愛「こいつは服を作る人間を冒とくしてるんだ。作業には作業に適した服がある。ブランドっていうのは作り手の思いが乗っかってるから価値があるんだ。それが分からないなら!!」
愛「脱げ、その服!! お前みたいなダサロリコン雰囲気イケメンが着るより、僕が着てる方がよっぽど服の良さを見せられる。そんな風にしわとか影が出来る歩き方するな!!」
万「お前のモデル歩きの方が意味わかんないよ。ここはブロードウェイじゃないぞ!!」
愛「僕がいつ舞台に立ったんだよ。それを言うならランウェイだろ!!」
ち「まぁ、たしかに鏡柳先輩は舞台に立っても映えますよね」
愛「やっぱり? ちよちゃんもそう思う? 僕は舞台映えもするんだよね」
万「…………」
万「怒ってるのがバカらしくなってきた……」
ち(ふう、なんとか喧嘩を止められてよかった。作戦成功!!)
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