【超能力先輩と天下】

万、椛→3年生

ちよ→2年生

霊音→1年生


特に時期とかはありませんが、3年生だけ先行してテストをやっています。

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ち「えーと、豊臣秀吉は織田信長を討った明智光秀を討伐することで日本の天下を取った。とされている……」

万「日本史の勉強? テスト近いからいいことだね」

椛「部活中に試験勉強やってることはツッコまないんだな……」


霊「ゲームやってる先輩に言われたくないと思いまーす」

万「梅白さんの言うとおりだよ。お前もちよを見習って少しは勉強しろ」


ち「先輩、ちょっと聞いていいですか?」

万「お、分かんないところあった? いいよ、何でも聞いて」

ち「天下って何ですか?」


椛「そこからかよ……」

霊「でも言われてみると具体的に何だろうって感じですよね」


万「大まかな意味としては、全世界とか日本中みたいな意味だね。ただ、小桜さんが勉強してることに関連付けて言うなら、実権を握って思うがままにふるまうこと。つまりは今の総理大臣のようなものだね」


ち「ああ、2つ意味があるってことなんですね」

万「ざっくり言えばそういうこと」

ち「なるほどです。勉強になりました」


椛「…………」

霊「…………」

万「…………」


椛「…………え、終わり?」

霊「ちょ、余計なこと言わないでくださいよ」


ち「え、何ですか?」

椛「いや、いつもみたいに『なんで意味が2つあるんですか~』とか言い出さないのか?」

ち「だって言葉の意味って色々あるじゃないですか」


万「それはその通り。まさかの正論だね」

椛「だとしても、そんなすぐに納得できるのか? 三日天下とかかあ天下じゃだいぶ意味が違うぞ」

椛「それだけじゃない。炎天下なんて言葉もある。なんだ炎の天の下って、どこだそれ!!」


椛「こんな風に騒ぎ立てたりしないのか!?」

霊「ちょ、そんな風に余計なこと言ったら、ちよちゃん先輩が騒ぎ始めるじゃないですか」

ち「そんなこと微塵も思いませんでしたよ」

万「まさかの微塵も!?」


椛「お前……本当に小桜か?」

霊「え、先輩、偽物ですか? めーちゃん先輩のドッキリ?」


万「いや、正真正銘ちよだよ。俺の説明が完璧だったから何も言わないんでしょ」

ち「……あ、まぁ、そう、ですかね~」


椛「思いっきり目が泳いでるぞ」

霊「完璧は言い過ぎなんじゃないですか~」


ち「いや、疑問はいっぱいあったんですけど、テスト勉強が優先かなと思って」

万「疑問はいっぱいあったんだ……。俺の説明、そんなにダメだった?」


ち「ダメってわけじゃないですけど、炎天下とか氷点下は意味わかんないじゃないですか」

椛「氷点下のてんかは天下関係ないぞ……」

霊「急にてんかてんかうるさいですね。何言ってるか分かんないですよ」


椛「何言ってるか分かんないのは小桜の方だろうが!!」

ち「私は天下の意味がよく分からないって言ってるだけですよ」

霊「そんなことを気にする意味は分かんないですけどね」


万「テストそっちのけで聞いてくるよりはマシだと思うけどね」

ち「そりゃ、テストの大事ですから」


ち「…………今のは違いますよ!?」

万「何も言ってないよ?」

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