【サーモキネシス先輩とパッチワーク】

椿→社会人1年目

椛→高校3年生

時→高校1年生


特に時期とかはありませんが、休日の話です。

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椛「おお、時雨。こんなところで会うなんて奇遇だな」

時「椛先輩、手芸とか興味あるんですか?」

椛「道具だけは買いそろえてるんだよ。やったことないけどな」


椛「それより、お前はどうして?」

時「姉さんの付き添いです。最近、編み物にハマってるみたいで」


椛「椿先輩が?」

椿「時雨、コレなんて……。あら、椛じゃない」

時「あ、姉さん。噂をすれば。ちょうど姉さんの話をしてたところだよ」


椛「椿先輩、編み物とか興味あるんですね」

椿「最近ちょっと、パッチワークにハマってるのよ」

椿「普通の編み物とは違うんだけどね」


椛「パッチワークって言うと、小物作ったりする感じですか?」

椿「そうなのよ。ほら、コレとか自分で作ってみたのよ」

椛「へぇ、なかなか上手にできてますね」


時「そういえば、聞いてなかったけど、なんで急にそんなことを始めたの?」

椿「社会人になって、趣味が無いことに気づいてね」

椛「それで、パッチワークですか? なかなかな趣味を選びましたね」


椿「でも、これが案外、性に合ってるのよ」

時「たしかに、休日、ずっとパッチワークやってたりするよね」


椛「椿先輩って、そういう細かい作業得意でした?」

椿「自分で向いてないと思ってたんだけど、そんなことはなかったわ」


時「でもたまに上手くいかなくて怒ってたりするよね」

椿「まぁ、そういう時もあるわね」


椿「そうだ。椛も、何か作ってあげようかしら?」

椛「良いんですか? たぶん、楓も喜ぶと思うので2つ作ってもらえたりします?」

時「何シレっとお揃いにしようとしてるんすか」


椛「お前が前にカバンにつけてたやつも、椿先輩が作ったやつなのか?」

時「よく見てますね。そうっすよ」

椿「あら、恥ずかしいから家に置いておくって言ってたわよね?」

時「……別に、出来は良かったからだし」


椛「相変わらず、シスコンこじらせてるんだな」

時「べつにこじらせてるわけじゃないっすよ!!」


椿「ところで、どうして椛はこの店に?」

椛「ああ、手芸とかはやらないんですけど、道具だけ買いそろえてて」

時「冷静に考えたら、超絶意味不明ですけどね」


椿「一応聞くけど、何のために?」

時「本当に一応って感じじゃん。もう、答えが分かりきってるのに聞く意味ないでしょ」

椛「そりゃもちろん彼女にするためですね」


椿「……手芸用品ってそこまで安くないわよね」

時「姉さんも買う時に少し悩んでたしね」


椿「あなたがかごに入れてる商品、私も知ってるけど、それなりに値段するものよね」

時「俺は分かんないんだけど、これって何に使うの?」


椿「……どれもこれも編み物ガチ勢しか買わないものよ」

時「姉さんは買おうとか考えないの?」

椿「普通に趣味でやる分には必要ないもの。使ってみたいとは思うけど、高いお金払ってまで欲しい物ではないわね」


時「なんでこの人、何でもないような顔してカゴに入れてるの……!?」

時「先輩、編み物興味ないんすよね?」

椛「一切興味ない。たぶん、買うけどやらない。道具を飾るだけだな」


椿「一から百まで意味わからないわね」

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