【超能力先輩と飲み物】

楓「あ、演劇の小道具忘れちゃった……。ちょっと行ってくるね」

ち「また? もういつものことだからいいけどさ」


ち(部室行く前に自販機寄ろう…。)

ち(暖かくなってきたから、冷たい炭酸が飲みたくなるんだよね。)


スタスタ

ち(あ、部室のほうから岸先輩たちが来た。)

椛「おお、小桜。俺たちは帰るから、頼んだぞー」

愛「鍵は開けてあるからね。あと万は遅れるって」

ち「あ、了解でーす」


チャリンチャリン


ち(しまった…。あと少し手が届かない……。)

ち「なんで炭酸の類はたいてい一番上の列に並んでるの……!!」手プルプル


ち「ジャンプで届くかな」ピョンピョン


ピッ ガコンガコン


ち「うわー、間違って隣のスポドリ買っちゃった。ついてないな……」


部室にて

万「あれ、遅かったね小桜さん。あ、飲み物買ってたんだ」

ち「逆に先輩は早いですね。岸先輩は遅くなるって言ってましたけど」

万「生徒会の手伝いをしてたけど、案外すぐに終わったからね」

万「横着して瞬間移動できちゃった」

ち「警戒心とかないんですね。部室に誰かいたらどうするつもりだったんですか?」

万「いや、行く前にクリアリングは済ませてあるよ!?」


万「それより、のど乾いてるんじゃないの?」

ち「え?」

万「いや、アクエリの蓋を撫でまわしばっかりで飲もうとしないから」

ち「ああー。せ、先輩と話してたから……?」


万「エー別に普段は気にしないじゃん。まぁいいけど」


万「アポート!!超能力者の目はごまかせないよ?」


シーーーーーーン


ち「何も起きてないですけど…?」

万「アポート!! アポート!! アポートアポート…よし来た」

万「はぁはぁ。物体転移って苦手なんだよね」


万「何が飲みたかったの?」

ち「えと、炭酸ですね」

万「ちょっと待っててねぇ……」


ポン!!


万「よし、うまくいった。はいどーぞ」

ち「先輩に苦手なこととかあるんですね。本当に何でも完璧にできるわけじゃないんですか?」

万「まぁその辺は椛がやってくれてたから、慣れてないんだよね」

万「普通のサイコキネシスとかならよく使うけど、アポートとかは、あんまり使わないしね」

ち(何が違うのだろうか…?)


ち「そうえいば、先輩たちって超能力使う時に決めポーズとかないんですか?」

万「え、なに。俺たちのことスーパー戦隊だと思ってる?」

ち「スーパード変態だとは思ってます」

万「誰がうまいこと言えと。いやそれより、が付くほどの変態だと思われてることのほうがショックだよ!?」

万「事実だから否定できないけど……」


万「でも、決めポーズねぇ。たしかにないかも」

ち「サイコキネシスとか、手を向けたりってのもしないじゃないですか」

万「しないねぇ。意味ないからね」

万「でもやっぱり、ノーモーションで超能力使ったほうが格好良くない?」

ち「いや、それはちょっとわからないですけど」


万「なんとひどい梯子ハシゴ外しでしょうか…」

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