【超能力先輩と干支】
万「そういえばさー。干支ってあるじゃん」
ち「あー子丑寅卯ってやつですか。それがどうかしました?」
万「あれってさ、ネズミは牛の頭に乗ってとか、牛は自分が遅いって知ってて早起きしたとか、いろいろエピソードあるよね」
ち「まぁ、なんかそんな話は聞いたことあります。猫はネズミに騙されたとかですよね」
万「あれってさ、どこからそんな話が広まったのかな?」
ち「……それ絶対今読んでる『世界の干支全集』に影響されましたよね」
万「いや……さ、されてないよ」
ち「致命的に嘘が下手…!?」
ち「でも確かに、本当に競争させたわけじゃあるまいし、どこからそんな話ができたんでしょう?」
万「……よく考えたらムカついてきたな」
ち「いや、怒りの沸点低すぎでしょ」
万「ずる賢さで言ったら、ネズミより人間の圧勝でしょ」
ち「それ言いだしたら、シンプルなスピードで龍に勝てる生き物いないですよ」
万「いやそもそも龍なんているわけないじゃん」
ち「それ、神様もじゃないですか?」
ち「っていうか、それを超能力者が言うんですか!?」
万「そもそも動物たちは、そんなに干支になりたい?」
ち「それは、世界観の話じゃないですか。多分名誉ある事なんですよ」
万「じゃあ仮にハクビシンが勝ってたら、子丑寅卯ハクビシン巳馬ってなるのかな?」
ち「なぜハクビシン!?そして辰のポジションなんだ…」
万「そもそも、陸の生き物だけで戦ってるのも悪くない?シャチとかいれようよ」
ち「フィールドはどこにするんですか、それ」
万「それはほら、トライアスロン形式で」
ち「現代競技!!」
万「最強の生物を決める戦いだね」
ち「趣旨が変わってる…」
万「っていう冗談は置いておいて」
万「干支って誰が決めたんだろうね。それに国によって差異があるけど、なんでなんだろう」
ち「その本に書いてないんですか?」
万「うん、あくまで世界の干支っぽいのを紹介してるだけで、説明とかは書いてないね」
ち「内容薄くなりそうですけど…。結構厚みがある本ってことは干支って日本だけじゃないんですねぇ」
万「いや、ほとんど海外の名所紹介みたいになってるよ」
ち「タイトル変えちまえ!!」
ち「ちなみに、ほかの国の干支ってどんな感じですか?」
万「日本以外の国は、たいてい猪じゃなくて豚らしいね。あと、アラビアでは龍がいなくてワニらしい」
ち「へー。……ワニってことは一応水の生き物としてカウントできますよね」
ち「いや、ワニに陸上で早いイメージはないですけど」
万「っていうか、そもそも、それぞれの動物のエピソードも謎だよね」
万「ネズミにエピソード偏りすぎじゃない?」
ち「まぁ、牛と絡んだり、猫と絡んだりしてますしね。結局一番乗りですし」
万「トラの話とウサギと龍の話は!?」
ち「いわれてみれば思いつかないですね。龍のくだりもメインは蛇ですし」
万「そしてそれ以降誰も語られない!!最後の猪だけ、おまけのエピソードがあるけど…」
万「っていうか、龍についてはもっと話すべきでしょ!!」
万「まぁ、干支なんて誰かが適当に決めたんだろうし、何でもいいけどね」
ち「最後急に雑だな!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます