【超能力先輩と体勢】
先生「小菊、小桜、手伝いありがとうな」
万「ええ、また何かあったら言ってください」
万「じゃ、部室もどろうか」
ち「そうですね」
ち「いやぁ、それにしてもプリント運ぶだけなのに疲れましたね」
万「超能力を使ったとはいえ、紙をくっつけちゃいけないなんて大変だよね」
ち「なんでしたっけ。たしか、三年生の化学の授業で使うんでしたっけ」
万「そうらしい。ペンのインクの実験とは言ってたけど」
ガラガラ…
ち「戻りましたよー」
万「あれー。椛がいないね。あ、伝言が残ってる」
椛『美術館に行きたくなったので帰ります』
ち「どんな理由ですか!? そしてそれが認められるって…」
万「いや許可出してないよ!! 俺、部長なのに…」
ち「岸先輩って美術とか興味あるんですね。まあ、なんとなくわかるけど」
万「アイツ、絵を描くのめちゃくちゃ下手だけどね」
ち「へー。それは意外ですね。……あ、そういえば、英語の課題あるんだった」
ち「やっていいですか…?」
万「ふふ、いいよ、やっても」
万「あーあ。もう小桜さんぐらいだよ、ちゃんと許可取ってやるの」
ち「まぁ、楓とか頻繁に遊びに来てますしね。結構好き勝手に」
万「百歩譲って友田さんはまだいいよ」
万「問題はあの二人!!俺が部長になってから、前よりも好き放題やるようになったからね」
ち「へー。でも、先輩が部長らしくないのも悪いんじゃないですか?」
万「まさかのダメ出し!? そんなに威厳無いかなぁ…」
ち「いや姿勢の問題でしょ。おっと…」クチオサエ
ち「姿勢の問題だと思いますよ」
万「可愛いけど誤魔化されないよ!?……俺ってそんなに姿勢悪い?」
ち「そりゃ、机の上に座ってますからね。そっちの椅子使わないんですか?」
万「まぁ、格好つけて買っちゃったからね、この安楽椅子。ガタガタ揺れると読書がしにくい」
ち「でも先輩たまに床に寝転がっては岸先輩に怒られてますよね」
万「床は、自分の体を支えにしやすいから楽なんだよね」
万「でも問題のある体勢ってその二つだけでしょ?」
ち「あー、私のこと抱きかかえたりするのも問題だと思います」
万「でも、それは二人に迷惑かけてないよ…?」
ち「私が迷惑だって話です」
ち(いや、ホントは好きだけど。でも温かくなってきたからなぁ。)
万「まーこれから暑くなるだろうしね」
ち「……」ドキリ
万「あんまりべたべたしてるのを見せるのも、よくないか」
ち「……あれ、思い出してみると二人とも部室で平気な顔していちゃついてるなぁ」
万「……ほんとだ。この部活変人しかいねぇ」
万「いや、俺が言えた話じゃないか」
ち「自覚あるんだ。あ…」クチオサエ
万「今日失言が多いね!?」
ち「鏡柳先輩に至って部室で自分と[ピーー]してましたしね」
万「まあ、アイツは普段からあんな感じだから」
ち「それでよく問題にならないですね」
万「愛の場合、行為すらも芸術的に美しいから、許されるんだと思うよ」
万「自分で言ってたことだけど」
ち「あの先輩、ナチュラルに狂ってますね」
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