【親友と演劇部】

ク1「楓、部活いこー」

楓「うん。じゃあね、ちよ」

ち「また明日ね」


ク1「今日から、声出しだよね」

楓「そうそう。全力で歌うから楽しみにしてて」

先輩1「一年生の中で唯一の合唱担当だからね。期待してるよ」

ク1「あはは、先輩あんまりプレッシャー掛けない方が良いですよ」

先輩1「冗談だろ。校長の前でもビビらず歌ってたじゃない」


楓「あ、カバン忘れた」

先輩1「うっそだろお前!?」

ク1「わざと置いて来たのかと思ったのに…!?」


楓「ちょっと取ってきますねー」

ク1「あらら、行っちゃったよ」

先輩1「私たちも先に行くか」


ち「楓カバン忘れてたよ」カバンワタシ

楓「うんしってる。取りに来たとこ。ありがとー」


楓「今日歌う曲の歌詞とか入ってるから、ないと困る……

ち「忘れたの?」

楓「たぶん。どこに置いてきたかなぁ?」

楓「家じゃないことは確かなんだよね。持って帰ったら絶対忘れるから、学校に置いておいたの」

ち「じゃ、教室のロッカーとか?」


教室に戻って……


ロッカーガサゴソ

楓「ううん。無いな―」

ち「机は?」

楓「空っぽにしてある」

ち「カバンもう一回探してみるとか」


楓「うーん。部活関係だから、青いファイルに入れてるはずなんだけど…」

ち「……? そのファイルの後ろに付いてる紙って……」

楓「あ、あった!! ありがと、ちよ!!」


楓「やっば、練習始まっちゃう。行ってきまーす」

ち「はいはい。行ってらっしゃい。頑張ってね」


顧問「友田、遅いぞ」

楓「すみません」

ク1「遅かったね。どうしたの?」

楓「歌詞の紙忘れちゃって…。見つかったんだけどね」

先輩1「こら、ミーティング中だから静かにしなさい」


先輩2「今日は発声練習からやっていこうか。楓ちゃん、アップしてきた?」

楓「いえ。まだです」

先輩2「じゃー軽くランニングして、そのあと声出ししようか」

顧問「ああ、その前に、友田、こっち来てくれ」

楓「はい!」


顧問「友田、前の舞台良かったぞ」

楓「ありがとうございます」

顧問「それでな、今回はソロパートを入れようと思ってるんだ」

楓「ほんとですか!?」

顧問「ああ、ここの小節から、ここまでなんだが…」




楓「おまたせー。小菊先輩たちは?」

ち「おつかれ、楓。先輩たちはもう帰ったよ」

楓「えー。校門の前で一人って危なくない?結構暗いし…」

ち「さっきまで先輩が一緒にいたけど、楓が来たの見て、帰ってったよ?」


楓「え、なんか気使わせたみたいになっちゃったなぁ」

ち「まぁ、あの人、そういう細かいところまで気づく人だから」


楓(そこで、なんでちよがドヤ顔になるの。って突っ込みたいけどやめておこ。)

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