【超能力先輩と依頼】

万「今日の活動もたぶんなしかなぁ」

ち「もう慣れましたよ。先輩はまた図書室行くんですか?」

万「そうだね。小桜さんも来る?」

椛「ぜひ行ってほしいね。お前たちがいなくなれば、緑子さんと二人きりになれる」

ち「岸先輩は隠そうとも取り繕うともしないんですね。わかりました。いいですよ、行きます。先輩、連立方程式使って解く文章題が分んないんで、教えてください」

万「いいよー。じゃ、図書室にいるから、なんかあったらテレパシー送って」

ち「マジ、便利ですね。超能力者」


??「おお!お前たち何処行く?暇なら手伝ってくれないか」

万「高山先生…。超能力者研究会に依頼ですか?」

ち「初案件!!」

高「第二体育館で新入部員歓迎会をやるんだが、予想より人が多くてな。ちょっと手伝ってくれないか。人払いは済ませてるから」

椛「お前ひとりでいいよな、万」

ち「先輩、私も手伝いたいです。行っていいですか?」

万「じゃ、自分と小桜さんが行きますよ。危ないんで、高山先生も体育館から出ておいてください」

高「おう、すまんな。助かる」


ち「先輩って、超能力者であること隠してるんですか?」

万「色々聞かれると面倒だから、周りの人には特殊体質って話してるよ。精神操作とかは結構面倒だからね。使ってもいいけど、調整ミスったら廃人になっちゃうし」

ち「こっわ…。そういうのビビっちゃうんで私の前では使わないでくださいね」

万「わかったー。けど、怖いっていう割にはフレンドリーだよね」

ち「まあ、先輩は変態だけど悪い人ではないので」

万「可愛いね。ぎゅってしていい?」

ち「ダメです」


体育館にて


万「小桜さん、上から見てバランスどう?」

ち「ああ…。三列目が斜めになってます。って、これ私が空中浮遊する意味あります?」

万「うーん、地に足ついてる方がサイコキネシスしやすい。的な?」

ち「そんなに私のパンツみたいですか?子供っぽいでしょ。ってそっちの方がいいんでしたよね」

万「ちちち違うし。ぱ、パンツとか興味ないし…」


ち「お手本みたいな動揺の仕方ですね。見るぐらいならいいですけど、興奮しすぎて落とさないでくださいよ」

万「大丈夫、小桜さんに怪我させるなんてことはないから」


10分後


ち「そーです。おっけーです。あ、ちょっとズレましたね」

万「どう? おっけー? よーし、作業終わり。下ろすよ」

ち「そんな抱きしめる必要あります。って、先輩冷た…!!」

万「ううん。小桜さんはあったかいね。もう少しこうしてていい?」

ち「だめです。ってか、力強すぎますよ。先生に報告して部室もどりましょう」


高「おおー。早いなぁ。さすがだ。じゃ、また頼むぞー」

万「はーい。……椛、こっち終わったから戻るよ」

椛『わざわざ戻ってくる必要があるのか…?まあいい。』

ち「あの人って、人嫌いとかなんですか?」

万「人っていうか、生き物全般が嫌いなんだよね。椛の能力ってサイコメトリーだけじゃなくて触れた生物の心を読むこともできるから。俺達と出会う前にいろいろあったみたい」


万「今は生物の心は読めないみたいだけど」


ち「へー。それより先輩、戻ったら数学教えてくださいね」

万「勉強苦手なのに真面目だよねぇ。可愛い!!」

ち「相変わらずきもいですね…」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る