第4話「目玉」140文字【杓文字、金魚、スーパームーン】
合格祈願の杓文字が叔母から届く。
スーパームーンが空を陣取っている。
勉強に集中できずに作業場を覗くと、金魚ねぶたが並んでいた。
見慣れた光景。なぜか一体だけ目が白いままだ。
庭に出て月に翳すと、和紙が透けて灯篭になる。
稼業は継ぐな、は親父の口癖。
だけど今、無性にこいつに墨を入れたい。
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