第8話「隙間」140文字【弁当、父、雨】

雨の朝。

車は道が混むから、急いで弁当を作る。

けれど、詰めても詰めても三分の一が空く。

呆れ顔で台所を出て行く母。

そうか。昨日で失職したのだった。

何してんだ、私。


玄関に向かう父が足を止めた。

「それ持って出掛けたら? 公園の駐車場でも、濃い色の緑を眺めたら埋まるかもしれないよ。心の隙間」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る