第19話 彼女のからのメッセージ

私と同じように、肉親や親族から性被害を受けた全ての少女へ。そして、全ての性被害者へ。


あなたは、汚くない。汚されていない。逃げ出せるなら、声を上げて欲しい。警察や保護してもらえる所に逃げて。

汚らしいゴミ屑達に、人生を狂わせられないで。一秒でも早く、逃げて。あなたを守る為に。今以上に、あなたが苦しまないように。


一人で我慢しないで、泣かないで。


あなたは、あなたがこの人生で幸せになる為に生まれてきたのだから。



私の様に、苦しい道を選ばないで。誰かの為に、とか、恥ずかしいから、では駄目。


周りを偽善の笑顔にしても、傷付いて泣いているあなたは、あなたしか守れないのだから。



声を上げるのは、恥ずかしいし勇気がいる。でも、勇気を出さなければ何年も何十年も、あなたは茨の道を歩まなければならない。


辛かったよね、苦しかったよね。分かるよ、私には。だからこそ、私はこうして語っているの。


次の『或る少女』が生まれないように、私は私の傷を話したの。

私みたいにならないで。


人生は、選択の連続。どの道が正しいのか分からないけれど、あなただけが傷付く選択だけはしないで。



私の話は、ひとまず終わり。まだ、人生は長いからまた嵐が来るかもしれない。


でも、私はこうして話せた事で、私の中の沢山の私を赦してあげられる。


人を憎み、蔑み、自分さえも呪った。



でも、そうしなければ生きていけなかった。苦しくて悲しくて辛かった。



有難う、こんなにも長い私の話を聞いてくれて。



もう、どの少女も泣かないように。それが私の願い。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る