第10話 休憩
『筆者注意』
少し休憩しましょうと、私は彼女に語りかけた。長々と話をして貰っているので、まだ続きそうなので疲労させる訳にはいけないと考えたのだ。
有難う、と彼女は小さく言うと瞳を閉じた。
それを確認してから、私は彼女の話のまま書いた文章を見直した。後で修正するが、ザッと流れを整理したいのだ。
ふと、疑問になった。彼女の口調や考え方、話し方に違和感を感じる。
幼い様に感じる時や、ひどく冷静で冷酷、他人事の様に彼女自身の歴史を話している時があった。
それに、私自身の文章だ。何故か彼女が話すまま書いている所に、私の感情の様に書いている様な不思議な文章が見当たる。それに、段落だ。小説を書く訳でもないのに、最初の数話は段落がある。エッセイなのに散文でもない文章。私はこんなに物を書くのが下手だったのだろうか。
彼女の話を聞いていると、何か深い闇に飲み込まれそうだ。だけど、書かなければいけない。―――そう、書かなければいけない。
何故だ?
そもそも彼女を、誰に紹介して貰ったのだろう?
「そろそろ、続きを話して良いですか?」
彼女の言葉に我にかえり、新規文書を開いた。彼女は瞳を開けて、私を見つめていた。
「はい、続きをお願いします」
彼女は、再び口を開いた。
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