第6話 幸せを感じたひと時

親に金を無心したくなく、特に学びたいことやなりたい仕事がある訳でもないので大学には行かなかった。地元で就職した。


バイトとかけ離れた給料を貰い、会社の飲み会や、友人と毎日遊び歩く生活になった。家には風呂に入り寝る為だけ。


そんな中彼氏を作り、気持ち悪い行為をしたり、またはそれから逃げて誤魔化して。


そんな時、ホストにハマった。



ホストは、枕営業のない人が担当だった。私が望んでいた、性が絡まない関係だった。三軒ほどのホストクラブに通った。

私が一番ハマったのは、ボッタクリで有名なグループのホストだ。


だが、そのホストは私に高額すぎる請求をしなかった。シャンパンやドンペリコールもない。高くは請求しないから、たくさん来てほしいと言われた。

彼も、疲れていたのかもしれない。酒は弱いのに、無理矢理ボトルを空けなければならない世界。客を借金で水の世界に沈めたのを、ヘルプの子と笑って話していた。

私は、彼が酔って接客中に膝枕で寝ても怒らなかった。ただ、愛しく思えた。


その時のヘルプの子は、後に私とその担当ホストの関係が羨ましかったと胸の内を証してくれた。

一緒にホスト通いしてた子は、結構シャンパンやボトルを入れさせられていた。だから必ず店に行ってるときは、頃合いを見て私が友人の担当ホストに帰らせるように電話していた。


思えば、この頃が幸せだったのかもしれない。


だが、ホスト通いは、彼が飛んだ辞めた事で終わりを迎えた。


また、私は家から逃げる事を考えた。

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