第2話 家の牛丼と芋焼酎小鹿本にごり

妻に牛丼を作るよう命ぜられる。

なぜ牛丼かというと、昨日肉じゃがに使った牛バラ肉が余っているらしい。

ネット通販でお得と思って買った品だが、大容量パックだったため、昨日今日で消費しなくてはならないとのこと。


そしてなぜ私に命じたかというと、妻はいわゆる牛丼屋の牛丼をほとんど食べたことがないから。

そして牛丼屋で食べ慣れている私の方が、おいしく作れると判断したとのこと。


ちなみに私は断然すき家派。

いつものネギ玉牛丼は未だに食べ飽きないし、夏限定のニンニク牛丼はまさしくジャンキーになるレベル。


次に好きなのは松屋。

私は味噌汁が好きなのだが、それがデフォルトでついてくるのはポイント高い。


しかし今現在、一番よく行ってるのは吉野家。

積極的に行っている訳ではなく、自室と会社の近くにあるのが吉野家しかないという、極めて消極的な理由。

ちなみに牛丼単体の味は、実は吉野家が一番旨いと思っている。

しかし吉野家にはジャンキーなトッピングがなく、味噌汁もついてこない。

だからあまり行く気になれない。

それだけ。


さて、牛丼を作れとの妻の指示に、いいよと答える。

めんつゆで適当に煮込むと付け加えて。


自分は煮物を作るのが苦手。

元来ケチなのと、なぜかこんな時だけ「健康のため」を思って、調味料の使用を抑えてしまうのだ。

だから自分で煮物を作るとおいしくない。

それと引き換えに、醤油と砂糖は何年も保つ。

賞味期限の数倍は保たせることが出来る。


妻はそんな私の性格を熟知している。

だからクックパッドでレシピ調べて調味料を計量して作れと指示してくる。

それは、拒否。


だって妻だっていつも計量なんかしてないじゃないか。

それに私の愛読書である「めんつゆひとり飯」も「水は海に向かって流れる」も、牛丼の肉はめんつゆで適当に煮込んで作っていた。

あのぐらいなら私にも出来るし、味が足りなかったらめんつゆを追加すれば良いだけなので簡単。


「計量しろ」「しない」の押し問答の末、牛丼は妻が作ることに。

おいしくないものは食べたくないと捨て台詞を残して。


ただ、そもそも妻と私は味の好みが違うんですわ。

妻は煮物系は甘い味付けがすき。

私は甘いのはあまり好きじゃない。

そして予想通り、できあがってきた牛丼はすき焼き並みに甘い味付け。

牛丼屋の味とはほど遠い。


はじめはビール飲んでたけど、ここはやっぱり焼酎だな。

昨日と同じ肉だし。

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