第7話 担保って「する」もの?

もう手遅れな感もあるけれど…


結構なお年の人でも公式な場面で口にしてますよね、このフレーズ。


「担保する」


あぁもう…すごくもやもやします。


ちなみに広辞苑(第5版)では…


たん‐ぽ【担保】

(1) 債務の履行を確保するため債権者に提供されるもの。抵当権や保証の類。

(2)しちぐさ。抵当。ひきあて。


ということで、どちらの意味をとってもおかしいんですよ。


もう少しかみ砕いて表現するなら、お金を借りるときに「もし返せなかったらこれを代わりに取り上げられても仕方ない」と覚悟して預ける「物」のことじゃないんですか?


物する?


抵当する?


質草(しちぐさ)する?


…と思ったら、広辞苑の第6版では第3の意味が追加されてるんですね。


たん‐ぽ【担保】

(1)債務の履行を確保するため債権者に提供されるもの。抵当権や保証の類。→人的担保 →物的担保。

(2)しちぐさ。抵当。ひきあて。

(3)不利益に備えてその補いとなるもの。「実効性を―する」


(3)には「担保する」という用例がはっきり出てますね。でも、(3)でもダメなんじゃない?日常的に見聞きする用例では、「担保」は「確保」「保証」と言い換えるべき表現に思えるんですけど。「不利益に備えて」の部分がまったく感じられない文脈で。


ま、きっとそのうち(4)に追加されるんだろうなぁ…それでいいのかなぁ…個人的には強烈にイヤ~な感じですが。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る